【NSW26日】 NSW州で、かかりつけ医(GP)による注意欠如・多動症(ADHD)の診断・治療が可能になる。WA州とQLD州はすでに同様な取り組みを始めている。
NSW州のGPは、子ども・大人両方を対象にADHDの診断・治療をする訓練が受けられるようになる。さらに、ADHD治療の投薬量に変化がない患者を対象に薬の処方もできるようになる。
現在、ADHDの診断は専門医に委ねられている。子どもは小児科医に、大人は精神科医の診断を受けなければならない。州保健局の許可なしでGPはADHD関連の薬を処方できない。
ジャクソン州メンタルヘルス相は「専門医に会うまでの待ち時間や高い費用を削減できる」「今のままではお金がなければ専門医に会えず、薬も入手できない」と話した。GPのADHD訓練に関わる費用は明らかにしていないが、医師1,000人を訓練する意向を示す。
オーストラリア健康福祉研究所(AIHW)によると、ADHDは子どもと青年期の最も一般的なメンタルヘルス疾患だ。子どもの7パーセントがADHDを患い、学業や社会生活に大きな影響を及ぼす。早期治療は長期間にわたる治療を避けられる可能性もあるとして、子どもは来年初頭からGPによる診断を目指す。
王立開業医協会(RACGP)も、ADHDの診断と治療に最高で5,000ドルかかるとし、多くのGPが患者の負担を軽くしたいと考えると、改革を歓迎した。
WA州は国内で最初にGPのADHD診断・治療を可能にした。QLD州も2017年から子どもを対象にGPによる診断を始めた。
2023年から2024年にかけて、全国でADHDの患者60万人弱を対象に治療薬が460万回処方された。
ソース:abc.net.au- NSW government to announce reforms allowing GPs to diagnose, treat ADHD patients