【NSW23日】 オーストラリア社会サービス協議会(ACOSS)とニューサウスウェールズ大学が共同で行った調査から、国内の賃貸情勢の実態が明るみになった。家賃上昇を恐れて修繕を頼めない借り手が多い。
調査は全国で、民間の賃貸物件に住む1,019人を対象に行われた。73パーセントが過去1年に家賃上昇を経験し、3分の1は「家賃を5パーセント上げられたら困窮する」と答えた。賃貸物件の3軒中1軒でゴキブリまたはアリが発生、4分の1で水漏れまたは浸水、18パーセントは浴室にカビが生えている。68パーセントの人は家賃上昇を恐れて修繕を求めず、56パーセントは強制退去を恐れている。
ACOSSのゴールディー最高責任者は、「家賃上昇や強制退去を恐れて必要な修繕を頼めないとは、許しがたい」「誰もが、住まいを失うことを恐れず、安全な家に住めるべきだ」「家賃の上昇率に上限を定め、理由なしの退去を禁止し、低所得層が安全で手の届く価格帯の住居に住めるよう公営住宅を増やすよう政府に求める」と話した。
ニューサウスウェールズ大学、ACOSS、国内のシェルター団体、賃借者評議会(NAOR)は、今回の調査報告書から次の課題点をあげた。国として家賃上昇の額と頻度に上限設定、理由なしの退去禁止と退去された賃借者の保護、賃借者向けのサービスに対する予算増、所得補助金や失業手当ジョブシーカーの引き上げ、公営住宅の増加の5つだ。
ソース:news.com.au – Reality of renting in Australia: Roaches, mould, fear of eviction and rent hikes