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オーストラリア人37人、勇敢な行動で国内最高の勇敢賞受賞

【ACT31日】   オーストラリアで家屋火災や飛行機事故などの緊急事態に際し、勇敢な行動を取った37人のオーストラリア人と第一対応者が、国内最高の勇敢賞(Australian Bravery Decorations)に選ばれた。これは、過去の受賞者数を上回る最多の表彰となる。

勇敢賞は、日常生活や災害、事故の現場で人命救助や公共の安全確保において特に勇敢な行動を取った人物に贈られる国家的栄誉で、50年以上の歴史を持つ。過去には火災現場での救助や洪水被害からの人命救助など、多くの市民や第一対応者が受賞している。

モスティン総督は「本日表彰する特別な人々は、予想外の勇気を持って守り、助ける呼びかけに応えた」とコメントし、「彼らの行動を通じて、私たちは全員が大切であり、すべての命が尊いことを教えられる。彼らには永遠の感謝と敬意がある」と語った。

今回の表彰は、勇敢賞50年の歴史で初めてワトルデーに合わせて発表された。ワトルデーは、オーストラリア固有の花であるワトル(アカシア)の開花を祝う日で、長らく国民に親しまれてきた。国民の結束や希望、再生を象徴する日として、国全体で花を身につけたり装飾したりして祝うのが伝統となっている。総督は「ワトルデーは、勇気を認め祝う特別な瞬間であり、受賞者に共通する回復力、勇気、思いやり、親切、尊敬といった特性を振り返る日でもある」と述べた。

受賞者の中には、近所の人を助けるために燃え盛る家に飛び込んだマイケル・シュミット氏とリデル・マレー氏がいる。彼らは「ただ他の人を助けようとしていた」と語っており、その行動が勇敢賞受賞につながった。また、海辺で溺れかけた子どもを危険を顧みず救助した父親や、高速道路で発生した車両事故の現場で炎上する車に近づき負傷者を救助した運転手、自宅火災で逃げ遅れた高齢者を助けた隣人なども受賞している。

これらの事例はいずれも、日常の中で突然迫る危険に直面した市民が瞬時に勇敢な判断を下した例であり、個人の勇気だけでなく地域社会全体の安全や絆を守る役割も担っていることを示している。今回の受賞により、日常生活の中で見過ごされがちな市民の勇気や、危険を顧みず他者を守る行動が国家として公式に称えられることとなった。

ソース:news.com.au-‘Adrenaline kicked in’: How these ordinary Aussies were thrust into action, now honoured with bravery medals

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