【ACT18日】 オーストラリア統計局(ABS)の報告によれば、2025年3月までの1年間で人口は前年同期比1.6%増の2750万人に達した。自然増(出生数-死亡数)は10万7400人、純海外移住者数は31万5900人であった。
保守系シンクタンク、公共政策研究所(IPA)は、人口増の主因である移民受け入れが持続不可能であり、主流のオーストラリア人の生活水準を損ねていると警告する。IPA副所長ダニエル・ワイルド氏は、「移民数はパンデミック前水準に比べ依然として高く、住宅購入の夢を壊し、経済停滞や社会分断を生んでいる」と述べた。
一方、トニー・バーク移民・多文化問題担当大臣は、純海外移住者数は2022–23年のポストコロナ期ピークから40%以上減少しており、政府は移民制度の信頼性を回復したと強調する。純海外移住者数は、到着者数から出国者数を差し引いて算出され、恒久移民や就労・休暇ビザ、留学生も含まれる。
州別では、WA州が前年同期比2.3%増の303万人と最も増加率が高く、VIC州は1.8%増の705万人、NSW州は1.2%増の857万人であった。TAS州は0.2%増の57万6000人と最低の伸びを示した。
出生数は前年同期比2.1%増の29万5900件、死亡数も同率増の18万8400件であった。四半期ベースでは、自然増は前期比48%増の3万4200人、純海外移住者数は4万4000人増の11万100人となった。
人口増と移民受け入れは、住宅価格上昇やインフラ負荷の増大など社会的課題と直結している。IPAは「移民数の大幅削減が必要」と主張し、バーク大臣は「制度を成熟して管理し、国家利益に沿った移民政策を維持する」と述べ、政治的議論が続いている。
ソース:news.com.au – Migrant boom pushes Australian population to 27.5 million: ABS