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豪州東部、9月から湿潤な気候に

【ACT19日】   オーストラリアの気象変動の主要要因が重なり、再び豪雨や雷雨、サイクロンのリスクが高まる季節が訪れようとしている。今回の予報は複数の指標に基づくもので、もし発生すれば、過去6年間で5回目のラニーニャとなり、1900年以降でほぼ例を見ない頻度だ。

活発なシーズンは豪雨や嵐のリスクを高める一方で、多くの州での火災リスクを抑え、VIC州、SA州、TAS州では干ばつ緩和の期待もある。主な気象要因には以下がある。

  • 負のインド洋ダイポールモード現象(IOD):インドネシア近海の水温が高く、アフリカ近海が冷たい状態で、オーストラリアでの雲量と降雨を増加

  • ラニーニャの可能性:太平洋東部の冷水とインドネシア近海の暖水により、オーストラリアでの降雨が増加

  • オーストラリア沿岸の海洋熱波:暖水は雨や嵐、サイクロンのエネルギー源となる

  • 気候変動:過去世紀以降、温暖期に降水量が増加する傾向

オーストラリアの東部では、9月から広範囲にわたる湿潤な季節が続く見込みで、2024年初頭から蓄積した降雨不足を緩和する可能性がある。しかし干ばつを完全に終わらせるには、数シーズンにわたる多雨が必要で、重い雨が降らなければ火災リスクは依然として高い。また、海洋の暖かさと低気圧の可能性により、サイクロンや雷雨の発生も通常以上となる見込み。

最高気温は過去数年の記録的な暑さほどではない可能性があるが、降雨や雲の影響で夜間の湿度は高く、蒸し暑い日々が続く見込みだ。近年の湿潤要因の繰り返しは顕著で、2020年以降、国内の多くの地域で平均以上の降雨が観測されている。2021年以降の負のIODは今回で3回目、ラニーニャは過去6年間で5回目となる。過去にこれほど頻繁にラニーニャが発生したのは1970〜1975年の例だけで、この時期も記録的な湿潤期だった。ただし、西部および南部沿岸は近年の高気圧や寒冷前線の経路変化により降雨が少なく、地球温暖化の影響も背景にある。

ソース:ABC News – Surprise La Niña hints at another wet and stormy Australian summer

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