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Kマート 顔認証カメラでプライバシー法違反

【ACT18日】   オーストラリア大手小売業者Kマートが店内に設置していた顔認証カメラについて、プライバシーコミッショナーは「プライバシー法違反」と判断した。Kマートはこの決定に対し控訴を検討している。Kマートは2020年半ばから2022年7月まで、全国28店舗(TAS州とNTを除く)の出入口や返品カウンターに顔認証カメラを設置。返品詐欺の検出を目的に、数十万人規模の顧客の顔データを収集していた。

プライバシーコミッショナーのカーリー・カインド氏は、「顔認証技術は、返金詐欺に関与していない大多数の顧客のプライバシーを侵害した。より侵害性の低い代替手段が存在したにもかかわらず、無差別に生体情報を収集した点は不当だ」と述べた。

一方、Kマートはこの仕組みを「限定的な試験」と主張。「画像は、返金詐欺に関与していると合理的に疑われる人物と一致した場合のみ保持し、それ以外は削除した。マーケティングなど他の目的で利用した事実はない」と反論している。また、2024年8月から2025年3月までの6か月間で「返金を巡る脅迫的な事案」が85%増加したと説明し、「従業員と顧客の安全を守るための手段だった」と理解を求めた。

Kマートは今後、顔認証技術を再導入しないよう命じられており、30日以内に公式サイトで今回の判断について声明を公表する義務を負う。なお、Kマートと同じウェスファーマーズ傘下のバニングスも、顔認証カメラを巡って昨年プライバシー法違反の判断を受けており、現在行政審判所にて異議申し立て中である。

カインド氏は「安全とプライバシーの権利は相反するものではなく、双方が守られるべきだ」と強調した。

ソース:news.com.au – Kmart facial recognition cameras break privacy laws, retailer looking to appeal

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