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豪州の4分の1の職が自動化で消滅の恐れ 

【ACT22日】   オーストラリアの雇用の約4分の1がロボットやAIによる自動化で失われる可能性があるとの調査結果が明らかになった。新たな研究によると、賃金損失などによる経済的打撃は1040億豪ドル(約10兆円)に上る見通しだ。

この調査は、世界的教育企業ピアソンの依頼で実施されたもので、主要な再教育やスキルアップが行われなければ、国内の雇用の26%が高リスクにさらされるとしている。特に建設業(雇用の9%)や製造業(同6%)は自動化の影響を受けやすい産業とされた。

報告書では、自動化技術として「ロボティック・プロセス・オートメーション」「大規模言語モデルを用いたチャットボット」「エージェント型AIモデル」「自律移動ロボット」などが挙げられ、労働者はまったく新しい、あるいは大きく変化した業務に対応するための再教育が必要だと指摘した。

一方、生成AIの影響を最も受けやすいのは小売、金融、メディア関連の職種とされ、反対にホスピタリティ、清掃、衛生関連の職は比較的影響が小さいと予測されている。ピアソンはまた、国際的に広く認められているビジネス&テクノロジー教育評議会(BTEC)の資格をオーストラリアでも承認すべきだと主張。ピアソン・オーストラリアのタハ・ハイデルモタ氏は「BTECの資格はIT、建設、ビジネス、科学分野などで世界で600万件以上授与されている。技能不足が深刻な今、こうした資格を認めれば熟練移民が即戦力として働け、生産性向上にもつながる」と述べた。

調査は豪州準備銀行、豪州統計局、教育省のデータを基に、人々が経験する「教育から就労への移行」「失職」「自動化による職務の変化」などを分析。将来の自動化の予測と照らし合わせ、リスクの高い職種を特定した。推計では経済損失の75.7%が直接的に自動化に起因し、残りは再教育や職の移動によるものとされる。

一方で、政府機関のJobs and Skills Australiaは、自動化が経済を完全に崩壊させるという悲観的な予測は行き過ぎだと反論。先月発表した報告では、2050年までに大きな影響を受ける職種として、事務職員、受付、簿記係、営業や広報担当、ビジネスアナリストやプログラマーなどを挙げている。

ソース:news.com.au – Quarter of Aussie jobs on automation chopping block, new report into AI warns

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