【ACT16日】 オーストラリアでは毎日1000社以上の企業が廃業しており、更新されたデータから、全国の起業家が直面する厳しい現実が浮き彫りになっている。
オーストラリア統計局(ABS)が以前公表した数値の更新によると、今年は37万社が事業を閉鎖した。ただし、同じ期間に43万7,150社の新規事業が開始されており、年間では閉鎖数を6万7,150社上回る形で、実際には開業数の方が多かった。この傾向は、過去5年間と比べて概ね横ばいとなっている。
開業数・廃業数のいずれも2023年、2024年より増加しており、経済活動や企業の新陳代謝が活発化している時期であることを示している。
クレディターウォッチのチーフエコノミスト、イヴァン・カルフーン氏は、廃業数の多さは一見厳しく見えるものの、通常のビジネスサイクルの一部であり、経済不調の兆候ではないと述べた。「オーストラリア経済は成長を続け、人口も増え続けている。現在では非常に規模の大きな経済だ。そのため、毎年多くの新規事業が生まれ、多くの企業が閉鎖されるのは驚くことではない」と同氏は語った。
6月30日時点で、オーストラリアには272万9,648社の事業者が実際に営業しており、そのうち99万4,178社が従業員を雇用している。また、データによると特定の分野が成長を牽引しており、特に政府支援に大きく依存する非市場分野で新規参入が最も多くなっている。医療・社会福祉分野の事業数は前年から6.6%増加し、建設業では7万6,414社の新規事業が追加された。
カルフーン氏は、人口動態の変化や政府支援プログラムを背景に、医療・社会福祉分野が引き続き経済の主要な成長分野であると述べた。「この2年間、高齢化が進むことでサービス需要が増え、さらに障害者に非常に重要な支援を提供するNDIS(国家障害者保険制度)が導入されている」と同氏は語った。
ソース:news.com.au – More than 1000 Australian businesses closing every day