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豪州、寄付不足で貧困世帯が必需品を入手できず

【NSW23日】   オーストラリアの最貧困層が、衣類や衛生用品などの必需品を手に入れられずにいることが、新たな報告書で明らかになった。寄付と需要のギャップが拡大する中、慈善団体が対応に苦慮しているという。

Good360が全国の400以上の慈善団体や困窮校を対象に実施した調査によると、非食品の必需支援物資の需要は過去最高レベルに達している一方、寄付は横ばい状態にある。この不均衡により、地域社会の支援を受けられない脆弱な市民が増加。約7割の団体が「需要を満たす物資が不足している」と回答した。

Good360の創設者でマネージング・ディレクターのアリソン・コビントン氏は、「生活費危機の緩和が示唆されている指標もあるが、現場の慈善団体ではそうは感じられていない。影響は予想以上に長引く」と説明。「基本的な衛生用品が手に入らない家庭、学校用品を揃えられない子ども、初めて困窮を経験する高齢者の現実がここにある」と述べた。

調査によると、コミュニティから最も求められているのは衛生用品で、次いで衣類や文房具、学用品(教科書・リュックなど)が続いた。特に前年からの伸び率が最も大きかったのはデジタル機器で、6%増加したという。コビントン氏は、「教育や就労など多くの行政サービスがオンライン化しているため、デジタル機器へのアクセスが不可欠。企業から不要な機器を寄付してもらい、セキュリティをクリアにした上で学校や慈善団体に配布している」と述べた。

一方で、非食品支援への政府の資金提供が不十分であることを指摘。「食料支援には資金があるが、衛生用品やデジタル機器の支援プログラムにも十分な資金を確保すべきだ」と訴えた。報告書によれば、毎年約45億ドル相当の家庭用品が未販売のまま廃棄されており、オンライン小売の急増がこの数字を押し上げていると分析されている。

ソース:news.com.au – Poorest households go without essentials amid nationwide donation shortage, says new report

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