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シドニー年越しイベント、ボンダイ犠牲者に祈り

【NSW23日】   シドニーでは、港を彩る華やかな年越しイベントを前に、ボンダイで命を落とした15人を追悼する時間が設けられる。大みそかの午後9時、シドニー・ハーバーブリッジは白く照らされ、ハトの姿と「平和(peace)」の文字が投影される。その後、市全体で黙とうが行われ、ボンダイで起きた致命的な銃撃事件の犠牲者を追悼するとともに、反ユダヤ主義を非難する思いを共有する。

シドニー市長のクローバー・ムーア氏は、「ボンダイで起きた悲劇に、今も深い衝撃を受けている中ではあるが、大みそかは地域社会が一つになり、立ち止まって振り返り、より安全で平和な2026年への希望を見つめる機会となる」と述べた。またムーア市長は、市民に対し、携帯電話のライトを点灯させ、連帯の意思を示すよう呼びかけた。「ユダヤ人コミュニティーに寄り添い、私たちが暴力や恐怖、反ユダヤ主義を拒否する姿勢を示すため、立ち止まって光を灯してほしい」と語った。さらに、「これらの瞬間は、犠牲者への敬意を示し、この残虐な行為を振り返り、憎悪によるテロ行為に分断されることはないという意思を示す機会になる」と強調した。

当日は100万人以上が花火を見るために港周辺に集まると見込まれており、世界中では数億人がテレビを通じて視聴するとされている。午後10時からは、公式チャリティーパートナーであるメンタルヘルス支援団体「ビヨンド・ブルー」をたたえ、ハーバーブリッジが青くライトアップされる。ビヨンド・ブルーの最高経営責任者(CEO)ジョージー・ハーマン氏は、「心的外傷を伴う出来事の後、つながりを保つことは回復への重要な一歩であり、社会的な支援は、今私たちが提供し、また受け取ることのできる最も意義深いものの一つだ」と述べた。

今年の年越しイベントでは、ボンダイでの銃撃事件を受け、警備体制も大幅に強化される。警察は「オペレーション・シェルター」を本格的に稼働させ、警戒にあたる。シドニー市の広報担当者は、「年越しに向けて市内各地にイベント関連のインフラを設置している」とし、コンクリート製のボラード(車両進入防止柵)などの安全対策が市内各所に展開されていると明らかにした。

ソース:news.com.au – Sydney Harbour Bridge to fall silent on New Year’s Eve as part of tribute to honour victims of Bondi tragedy

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