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ソーシャルメディアとAIが最も信頼されない業界に

【ACT29日】    オーストラリアにおける倫理的懸念を調査した最新の大規模調査で、ソーシャルメディアが最も信頼されない業界であること、さらにZ世代の間で人工知能(AI)への信頼が大きく後退していることが明らかになった。

ガバナンス・インスティテュートが30日に発表した「エシックス・インデックス」によると、AIは社会が直面する最も困難な倫理的課題の一つに浮上している。インスティテュートのカトリーナ・ホロビン最高経営責任者は、2025年においてオーストラリア人が倫理に対してかつてないほど高い関心を寄せている一方で、期待と現実の間にある「倫理的期待のギャップ」は依然として埋まっていないと指摘した。「人々が倫理を重視しているのは明らかですが、その姿が現実社会に十分に反映されていないことを示している。その最たる例が人工知能に対する世論だ」と述べた。

報告書によれば、AIは国民にとって3番目に重要な倫理的課題に躍り出ており、将来における倫理的な難題としては2位に位置づけられている。調査は年齢、性別、地域を加味して全国の成人1,000人を対象に実施された。生活費や住宅に関する倫理的課題は2024年に比べて緩和されたものの、AIやサイバーセキュリティに関する懸念は強まっている。住宅や医療に対するインフレの影響が依然として最大の懸念事項であり、続いて住宅の手頃さ、AIの利用拡大、サイバーセキュリティ、経済や失業の問題が続いた。Z世代の3分の1はAIをトップ3の懸念事項に挙げており、前年の24%から大きく増加した。AIに対する不安はベビーブーマー世代が次に高く、世代を超えた懸念の広がりが示された。

また、調査ではAI企業に対し、欺瞞的な利用を防ぐ取り組みを求める声が最も強いことが分かった。次いで、生成AIの利用を明示する透明性の確保が強く求められている。

一方、ソーシャルメディアに関しては、データ収集が「普遍的に非倫理的」と受け止められており、メディア業界に次いで不道徳と見なされている。特に強い否定的反応が見られ、国民の5人に1人から4人に1人は「非常に非倫理的」と感じている。個別のプラットフォームでは、ティックトックが最も非倫理的とされ、次いでエックス(旧ツイッター)、フェイスブック、インスタグラムの順に続いた。

今回の調査は幅広いテーマを扱っており、最高経営責任者の給与水準に対しても、前年に比べ多くの人が「非倫理的」と見なすようになった。また、職場における文化的多様性の推進は「やや倫理的」と評価され、多数派の支持を得ている。さらに、AIを活用する企業に対しては前年以上に否定的な見方が広がっており、Z世代は1年の間に「倫理的」から「非倫理的」へと評価を転じた。現在、企業のAI活用を支持しているのはミレニアル世代が多数派として唯一残っている状況だ。

ソース:news.com.au – Social media, AI among least-trusted industries by Gen Z-ers as new data reveals Aussies’ largest ethical threats

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