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オーストラリアで最も賃金搾取が多い業界は?

【ACT7日】   新たな報告書によると、過去5年間で10億豪ドル以上が労働者に返還されるなど、オーストラリアで最も賃金搾取が多い業界が明らかになった。

賃金搾取とは、労働者が意図的または過失によって法定の給与、年金、残業代、割増賃金、その他手当を受け取れない状況を指す。会計・コンサルティング企業Reckonは、過去5年間のフェアワーク・オンブズマンへの苦情を分析。2019年から2024年の間に完了した調査の半数以上にあたる9,401社が規則違反をしていたことが分かった。報告書によれば、過去5年間で労働者に返還された金額は17億6,000万豪ドルを超える。

業界別では、公共行政・安全、宿泊・飲食サービスが最も賃金搾取の多い業界となった。公共行政・安全分野では、規則違反企業1社あたり平均27万4,884豪ドルが返還され、人口10万人あたり923.3件と最も高い賃金搾取率を記録している。若年層やカジュアル労働者を多く雇用するホスピタリティ業界では、人口10万人あたり666社が規則違反だった。返還額の平均が最も高かったのは鉱業(430万豪ドル)、次いで電力・ガス・水道・廃棄物サービス(250万豪ドル)、金融・保険サービス(170万豪ドル)だった。

地域別では、北部準州が人口10万人あたり386社の規則違反で国内最多の賃金搾取件数を記録した。過去5年間で、企業の不正行為が認定された調査件数は26.6%増加し、806件から約2,500件に増加した。

ReckonのCEO、サム・アラート氏は、「賃金法を遵守することは、労働者と企業双方に利益をもたらす、公正で倫理的な職場を育むことにほかならない」と述べる。「当社の調査では、過去5会計年度で1万6,700件以上の調査が行われ、9,400社以上が規則違反と判明した。返還額17億6,000万ドルは、遵守しない企業に及ぶ影響の大きさを示している」と述べた。

ソース:news.com.au – New report reveals Australia’s worst industries for wage theft

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