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eセーフティ委員会、殺害映像拡散を受けXに削除命令

【ACT8日】   ニューヨークでウクライナ難民の女性が殺害される映像が拡散したことを受け、オーストラリアのeセーフティ委員会が主要SNS企業X(旧ツイッター)に対し、動画リンクの削除を命じた。

この動画は、今年初めにニューヨークのライトレール車内でウクライナ出身のアメリカ在住者、イリーナ・ザルツカさんが刺殺される様子を記録したもので、広く拡散されている。eセーフティ委員会は、Xに対しこの映像のリンクを全世界で削除するよう求める通知を発出した。これに対し、オーストラリア言論自由連盟(Free Speech Union of Australia、FSU)は通知の合法性を争うため、行政審査裁判所に緊急申し立てを行った。

この動きは、昨年eセーフティ委員会が、シドニーで起きたマリ・エマニュエル司教刺傷事件の映像を世界規模で非表示にするようXに求めた件に続くもの。当時、連邦裁判所は差し止め命令を却下し、ジェフリー・ケネット判事は世界的な禁止措置を「合理的な対応とは言えない」と判断。委員会はその後、訴訟を取り下げていた。

一方、FSUのルーベン・カーカム代表は、今回の決定について「世界的関心を集める事件報道を標的にするという、委員会の越権行為だ」と批判した。さらに、「世界的な検閲を繰り返し試みる姿勢は、オーストラリアを言論の自由の観点で国際的な異端者にしている。オンライン安全法は、世界のニュースを見せる・見せないを一人の官僚が決めるための法律ではない」と述べた。

また、カーカム氏は、「FSUは今後も適正手続き、透明性、そしてオーストラリア国民が合法的な情報にオンラインでアクセスする権利を守るために闘う」と強調。「eセーフティ委員会は法定範囲内で行動し、決定に正当な理由を示すべきだ。オーストラリア国民が求めているのは、権利を尊重する規制当局であり、ニュースを検閲する組織ではない」と述べた。

ソース:news.com.au – eSafety Commissioner issues notice to X after Zarutska killing videos circulate

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