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豪、出生率の低下で人口維持が困難に

【ACT13日】   オーストラリアの出生率が過去最低を記録し、自然な人口維持が不可能になる恐れがあることが新たな研究で明らかになった。

調査によると、オーストラリアの合計特殊出生率は1960年代以降下がり続け、現在は1人の女性あたり1.5人となっている。これは人口を維持するために必要とされる2.1人を大きく下回る水準だ。2006年から2021年の国勢調査データによれば、この減少の約3分の2は、母親が産む子どもの数が減ったことによるもの。残りの3分の1は、まったく子どもを持たない女性が増えていることが背景にある。

e61研究所のリサーチマネージャー、ペリン・アキョル博士は、子どもを持たない女性が増えているものの、それ自体が主な要因ではないと説明する。「私たちの研究では、出生率低下の主な原因は“子どもの数の減少”であり、家族の規模が小さくなっていることが分かった」と述べた。調査によると、50〜54歳の女性のうち子どもを持たない割合は2006年の13%から2021年には16%に上昇。一方で、同年代の母親が持つ子どもの平均数は2.53人から2.39人へと減少している。また、男女ともに子どもを持つ年齢が上がっており、多くが30代前半まで出産を待つ傾向があるという。

子育て費用、キャリアの優先、質の高い保育サービスの確保・費用負担などが、特に若い女性たちにとって出産をためらう主な要因となっている。アキョル博士は、政府がこの問題に対応する上で「万能薬」はないと警告する。「経済的支援は一定の効果があるものの、広範な人口動態の流れを覆すことはできない。出生率と労働参加の両立を支援する政策が、今後ますます重要になる」と語った。

ソース:news.com.au – ‘In danger’: Australians not having enough babies to replace its population, new research reveals

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