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豪高裁、右派インフルエンサーのビザ申請拒否を支持

【ACT15日】   オーストラリア高等裁判所は、移民大臣のトニー・バーク氏が論争的な米国の右派活動家キャンダス・オーウェンズに対してビザを拒否した決定を支持した。

オンラインで人気の解説者であるオーウェンズ氏は、昨年11月に商業講演のツアーでオーストラリア訪問を予定していたが、バーク大臣は彼女の論争的見解が社会に「不和」を引き起こす可能性があるとしてビザを却下した。オーウェンズ氏は法的手段に訴え、バーク大臣の決定が「明らかな偏見と不適切な動機」に基づくものであると主張した。

15日、高等裁判所は全会一致でバーク大臣の判断を支持した。高等裁判所は判決要約で「本日、高等裁判所は全会一致で、1958年移民法の第501条は憲法上の政治的表現の暗黙の自由を侵害しないこと、また第一被告(バーク氏)が原告(オーウェンズ氏)にビザを拒否した決定は無効ではないことを認めた」と述べた。同法第501条は、外国人がオーストラリア社会またはその一部に「不和を引き起こす」可能性がある場合、移民大臣がビザを拒否できる権限を与えている。

バーク大臣は、オーウェンズ氏の論争的かつ極端な意見の履歴がまさにそれに該当すると述べた。「ホロコーストの影響を軽視する発言から、ムスリムが奴隷制度を始めたとする主張まで、キャンダス・オーウェンズ氏はほぼ全方向に不和を引き起こす可能性がある。オーストラリアの国益は、彼女が別の場所にいることで最も守られる」と、バーク大臣は昨年述べている。

オーウェンズ氏の弁護団は3月に高等裁判所に提出した書面で、この争いを表現の自由の問題として提起し、第501条は政治的表現の暗黙の自由を侵害するとして無効であると主張したが、高等裁判所はこの主張を退け、オーストラリアの自由は市民および居住者に適用されると述べた。

サイモン・スチュワード裁判官は次のように述べた。「オーウェンズ氏はオーストラリアの『国民』の一員であったことはない。少なくともオーストラリア国外にいる間は、暗黙の自由による保護を主張する権利はなく、入国の手段として用いることもできない」また、スチュワード裁判官は、憲法により議会には外国人の入国可否を決定する法律を制定する「制限されない権限」があるという「基本的憲法命題」を指摘した。「すべての外国人の入国を拒否する法律も有効である。入国時に不和を引き起こす可能性のある外国人に対して大臣にビザ拒否権を与えることで、オーストラリアの主権は保護され、強化される」と述べた。

昨年、オーストラリア・ユダヤ人執行評議会の共同CEOのピーター・ワートハイム氏は、バーク大臣に対しオーウェンズ氏のビザを取り消すよう求めていた。与党連合の移民担当スポークスマン、ダン・テハン氏もオーウェンズ氏の入国阻止を支持した。

オーウェンズ氏は昨年3月以降さまざまな陰謀論を広めており、オーストラリアの他、フランス大統領も米国裁判所でオーウェンズ氏に対して名誉毀損訴訟を起こしている。

ソース:news.com.au – High Court of Australia denies Candace Owens visa appeal against Immigration Minister Tony Burke

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