【NSW18日】 オーストラリアでは溺死事故が記録的に増加しており、ライフセーバーたちは全世代の泳力向上の緊急対応を呼びかけている。
オーストラリア王立ライフセービング協会(RLSA)とサーフライフセービング(SLSA)の「全国溺死報告書」による最新データでは、2024年7月から2025年6月までの1年間で357人が溺死しており、過去10年平均より27%も多いことが分かった。全国的に子どもの溺死率は最も低かったものの、15歳以上では急増し、45歳以上のすべての年齢層で過去10年の平均を上回った。75歳以上では63%増加し、死亡者の3分の1は移民だった。
オーストラリア人口の約87%が海岸線から50km以内に住んでおり、溺死のほぼ半数は沿岸部で発生している。報告書では、泳ぐこと、釣り、無人の海岸への訪問が沿岸部で依然として高リスクの活動であると指摘されている。
RLSAのCEOのジャスティン・スカー氏は、「泳力の低下、高齢化、ライフセービングサービスが届かない遠隔地や未知の場所に行く人が増えていることは大きな懸念だ。小学校を卒業する子どもの半数は50m泳ぎ、2分間浮くこともできず、生涯にわたり危険にさらされる」と語った。また、「バックグラウンドに関わらず、すべてのオーストラリア人が水泳レッスンや安全に泳げる場所にアクセスできることが必要だ」と強調し、「泳げない人は海で膝より深い水に入るべきではない」とも述べた。
ボンダイのライフガードは、オーストラリアの海岸は文化の宝であり、多くの人が住む近くにあるが、毎年泳げずに海に入る人が増えていることに懸念を示した。
SLSAのCEOのアダム・ウィア氏は、「ライフセーバーと監視員は、ビーチ利用者の安全確保のためかつてないほど働いている」と述べ、過去1年間で約220万件の予防行動と8,000件以上の救助を行ったと報告。「ビーチ利用が増え、より多くの沿岸地域を訪れる人が増える中、ライフセーバーや監視員への負担は増している」と語った。
ソース:news.com.au – Lifesavers sound the alarm as drowning deaths surge among older Australians