【QLD23日】 QLD州北部で、困っているコウモリを助けようとして住民が咬まれたり引っかかれたりする事例が相次ぎ、保健当局が緊急警告を出した。
タウンズビル公衆衛生局によると、タウンズビル地域で17人、マッカイ周辺で20人の住民がフルーツコウモリ(フライング・フォックス)に咬まれるか引っかかれる被害を受けたという。
同局の代行ディレクターのケイト・マートン博士は、これらのコウモリがオーストラリア・バット・リッサウイルス(ABLV)を保有している可能性があり、このウイルスは狂犬病に非常に近く、感染すれば致死性であると警告した。オーストラリア国内では、1996年、1998年、2013年、2025年の4回、ABLV感染による人間の発症例が報告されており、うち3件はQLD州、1件はNSW州北部で確認された。感染者はいずれも死亡している。
マートン博士によると、被害の多くは自宅の庭などでコウモリに遭遇したケースだという。マートン博士は、「ABLVは麻痺、せん妄、けいれんを引き起こし、最終的には死に至る。コウモリに咬まれたり引っかかれたりした場合は、直ちに救急医療を受けてほしい。コウモリに触れたすべての事例は、感染しているものとして扱う必要がある」と呼びかけた。また、「けがをしたり絡まったりしているコウモリを見かけても、自分で助けようとせず、訓練を受けたワイルドライフ・ケアラーに連絡してほしい」と述べた。
現在はフルーツコウモリの繁殖期で、動物たちが移動中にフェンスや防鳥ネット、有刺鉄線などに絡まるケースが増えており、助けようとした人が咬まれたり、引っかかれたりしている。コウモリが衣服の上から引っかいたり、手袋を貫通して咬んだりした例も確認されている。
昨年もQLD州で、木から落ちたコウモリに触れたことで感染する恐れがあるとして、同様の警告が発令されている。
保健当局は「コウモリには決して触らないで。それが死んでいても、生きていても、大人でも子ども(子コウモリ)でも、例外はない」と改めて警告している。
ソース:news.com.au – Health warning aftrer dozens of Queenslanders bitten by bats