【ACT24日】 アマゾンが、人工知能(AI)を活用したスマートグラスを配達ドライバー向けに発表した。将来的には、この最新技術がオーストラリアにも導入される可能性があるという。
「スマート配達グラス」は、アマゾンの配達員が着用することを想定して開発されたもので、AIビジョン機能によってルート案内や荷物の追跡を行うことができる。この新技術は、米カリフォルニア州ミルピタスで開催されたアマゾンのイベント「Delivering the Future」で初披露された。同イベントは主に米国市場向けではあるが、グローバル展開を見据えた中期的なロードマップの一部として、オーストラリア市場にも導入される可能性があるとされている。
アマゾンは昨年、オーストラリア国内で同日または翌日配送された商品が4,000万件を超え、前年比40%増を記録した。一方で、インドでは「Amazon Now」プログラムを通じて、わずか10分で配達完了するサービスを展開しており、そのスピードは一部のUberの待ち時間よりも速い。アラブ首長国連邦では、最短13分で商品を受け取ることが可能となっている。
アマゾンは、こうした高速配送サービスをオーストラリアで導入するかどうかは明言していないものの、「テスト市場」としての可能性を否定していない。アマゾンの配送体験担当副社長のサラ・マシュー氏は、「私たちは、オーストラリアの顧客が何を求め、どのように生活をより良くできるかを見極めようとしている。10分配送をすべての地域で実現するわけではないが、地理や生活環境に応じた顧客の期待値を理解するための重要な取り組みだ。“便利さ”の定義は人によって異なる」と述べている。マシュー氏は、アマゾンがオーストラリア市場への投資を強化しており、2億豪ドルを投じて新たに2つの専用施設を建設中であることも明らかにした。
オーストラリアでの導入時期はまだ確定していないが、アマゾンは今年初めにシドニー、ブリスベン、パースで即日配送ネットワークを拡大しており、新技術導入への布石とみられる。
ソース:news.com.au – Amazon reveals AI-powered smart glasses for delivery drivers as tech giant expands Down Under presence