【VIC31日】 オーストラリアで初めてとなる先住民との条約を可能にする画期的な法案が可決され、VIC州議会が歓喜に包まれた。
30日午後9時前、VIC州議会の上院で「州全体条約法案(Statewide Treaty Bill)」が可決されると、公会堂の傍聴席ではアボリジニとトレス海峡諸島民の旗が掲げられ、議員席からは大きな拍手と歓声が湧き起こった。
この法案は、VIC州における先住民の生活と福祉における「重大な転換点」として評価されている。法案は、先住民の代表機関「Gellung Warl」を民主的に選出し、先住民コミュニティに影響を与える法律や政策について協議を行う仕組みを設けるもの。また、新たに制定される法律を「条約との整合性」という観点から審査することを義務付け、地理的名称を決定する新しい命名機関の設立も盛り込まれている。
ジャシンタ・アレン州首相は、今後数週間以内にこの法案に州政府と先住民代表機関「First Peoples’ Assembly」が署名する予定だと述べた。この法案は今月初めに下院を通過し、上院では労働党、緑の党、動物正義党、そして大麻合法化党の議員によって支持された。2年前に行われた「先住民の声(Voice)」国民投票の否決からおよそ2年後の出来事である。VIC州では、全体の約54%(約210万人)が「Voice」に反対票を投じていた。
長年にわたり条約実現を求めてきた「VIC州先住民議会(First Peoples’ Assembly of Victoria)」は、今回の法案可決を「歴史的瞬間」と表現した。共同議長であり、ワンバ・ワンバ族、ヨルタ・ヨルタ族、ジャジャ・ウルン族、ドゥドゥロア族の女性であるナラ・マレー氏は、この法案が「6万年にわたる先住民の知恵と文化が尊重され、祝福される時代」を意味すると述べた。
この歴史的な可決を祝う一般向けの記念イベントは、12月12日に開催される予定である。
ソース:news.com.au – Cheers as historic Treaty passes Victorian parliament