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QLD、ファイアアント対策の継続支援を要請

【ACT25日】   アルバニージー政権が資金不足を早急に解決しなければ、オーストラリアが致死性もある外来害虫「ファイアアント」を根絶するチャンスを失いかねないと、州をまたぐ代表団が警告している。

QLD州の3つの地方自治体の市長らは、24日の朝に第一次産業相のトニー・ペレット氏とともにキャンベラを訪れ、2027年に控える資金打ち切りを回避し、連邦政府が継続的な資金提供を約束するよう訴えた。侵入生物評議会のリース・ピアンタ氏は、オーストラリアが最終的にファイアアントから解放されるためには資金継続が不可欠だと指摘し、現在の状況を「サトウキビガエルが侵入した初期段階」に例えた。「前回2022年から2023年にかけて資金不足が起きたとき、ファイアアントの侵入地域は約40%拡大した。2027年に再び同じことが起これば、オーストラリアでの根絶のチャンスを失うことになる」と同氏は語った。

外来種のアカヒアリ(Red imported fire ants)は世界的に「スーパーペスト」と認識されており、攻撃的な性質と激しい痛みを伴う刺傷によって死亡するケースもある。オーストラリア研究所の試算によると、この昆虫がQLD州全域に広がれば、150万人以上が危険にさらされ、年間6人が死亡、11万6000件の医療受診が発生する可能性がある。全国に広がれば、死亡者数は最大30人に達する恐れがある。

現在、駆除活動は州と連邦の共同資金による「国家アカヒアリ根絶プログラム(NRIFAEP)」が担っている。アルバニージー政権は2023〜2027年に2億6800万ドルを割り当てている。

農業相のジュリー・コリンズ氏は声明で「アルバニージー政権はアカヒアリの脅威を非常に真剣に受け止めている」と述べたが、2027年以降の資金継続について明確な約束は示さなかった。「これまでの取り組みの約4倍の資金をアカヒアリ根絶に投入している」と述べ、2027年までに3億ドル弱を支出すると強調した。

一方、QLD州政府は別途、抑制地域での空中散布に2400万ドルを含む「ファイアアント抑制タスクフォース」に資金を提供している。代表団は連邦政府にも州と同等の緊急支出を求めている。

侵入生物評議会によると、ブリスベン、ゴールドコーストを含む南東QLD州の10の自治体がすでに影響を受けており、これらの地域は観光業や農業の中心でもある。ロッキアバレーのタニヤ・ミリガン市長は「南東QLDは州の“食糧庫”であり、世界でも有数の肥沃な農業地域で、QLD州の野菜の3分の1以上、国全体の約5%を生産している。食品供給網、農家、地域経済を守るためにも、緊急の対策が必要だ」と述べた。

ソース:news.com.au – ‘Lose our chance’: Queensland delegation to lobby Albanese government on fire ants

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