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ITや不動産などで男女賃金格差が拡大

【ACT3日】   オーストラリアの複数業界における男女賃金格差について、厳しい実態を示す最新データが明らかになった。新たな統計によると、不動産、IT、公共行政、各種技能職分野で男女間の賃金格差が拡大している。

3日に公表された連邦政府の職場男女平等機関(WGEA)のデータは、1万500社、計580万人以上を雇用する組織を対象としている。2024~25年度に中央値ベースの男女総賃金格差を縮小した企業は全体の52.3%と、わずかに過半数にとどまった。

金融・保険業界は引き続き、男女間の賃金差が最も大きく、かつ恒常的に存在する分野となっている。金融・保険分野の格差は昨年横ばいだったが、公共行政・安全保障、情報メディア・通信、不動産・リース業、電気・ガス・水道・廃棄物処理、鉱業、建設業など、多くの業界で格差は拡大した。データは従業員100人超の民間企業、企業グループ、公的機関を対象としている。

オーストラリアでは、女性は低所得層(下位25%)に属する可能性が男性の1.4倍高く、男性は高所得層(上位25%)に属する可能性が女性の1.8倍高い。性別を理由に賃金を低く設定することは違法であり、今回のデータは多くの組織で高給職を男性が多く占めている実態を反映している。19業種のうち、製造業は統計上男性優位の業界の一つでありながら、昨年は男女賃金格差を縮小させた数少ない分野の一つだった。

豪州でクリネックスやビバ製品を製造するキンバリー・クラークの男女賃金格差は0.3%と、製造業界でも最も低い水準の一つで、同社幹部は6年前に職場環境改善へ意図的に取り組んだ成果だとしている。同社の人事幹部ダイアナ・ブラント氏はニュースワイヤーに対し、男性に主たる育児者向けの育児休暇取得を積極的に促したほか、採用前にフォークリフト免許を必須とする条件を撤廃するなど、女性雇用拡大に向けた取り組みを行ったと語った。

2019年、SA州にある同社製紙工場では従業員300人のうち女性は9%だったが、現在は21%に増加している。工場や本社職の採用候補者リストに必ず女性を含めること、採用面接パネルに女性を参加させること、さらには採用前に免許取得を義務付けるのではなく、入社後にフォークリフト免許取得を支援することなどが、女性が工場勤務を敬遠する傾向を反転させる鍵となった。

男女平等機関が調査した製造業870社では、男性の平均賃金は女性より13.4%高い。高水準の業界では、建設業で男性が平均23.8%高く、金融業では21.4%の差がある。

「もし5~6年前に意図的な戦略を導入していなければ、とりわけ工場では従業員のほぼ100%が男性になっていたかもしれない」とブラント氏は語った。同社はほかにも、育児休暇を分割取得できる制度や、オフィス職員が金曜日に午後1時半以降退勤できる制度を導入している。

今回公表されたWGEAデータは、豪州全体の大規模組織における男女賃金格差を示す3回目の包括的公表となる。同機関の最高経営責任者メアリー・ウールドリッジ氏は、データ公開が企業行動を促していると述べた。「情報公開により、公平性と平等を優先課題とするようになり、経営陣や取締役会レベルでの関与が深まったと多くの雇用主から聞いている。2024年以降の結果では、管理職がどのように採用し、賃金や成果報酬を決定し、昇進を決めているかを分析する企業が増えている。また、単なる構成比や賃金だけでなく、育児休暇や柔軟な働き方、安全性へのアクセスといった男女の経験の違いにも目を向けている」

全雇用主の半数以上で、男性に有利な男女賃金格差が11.2%を超えている。

「男性が女性のほぼ2倍の確率で高給職に就き、女性が依然として低賃金職を多く占めているという事実は、オーストラリアが職場の平等を達成したと考える人々にとって現実を直視させるものだ」とウールドリッジ氏は述べた。「女性も男性も、自らの能力を最大限発揮し、最上位かつ高給の職に就き、安全に働き、育児など仕事外の責任を果たせる柔軟性を持つ、公平で平等な機会を望んでいる」

ソース:news.com.au – ‘Reality check’: Australia’s gender pay gap widens in sectors like IT, real estate as major industries lag behind

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