【NSW16日】 NSW州で決定された看護師と助産師の歴史的な賃上げについて、州財務相は「数十億豪ドル規模のコストがかかる」と警告した一方で、重要な投資だと強調した。
長年にわたる賃上げ交渉の末、裁判所の画期的な判断により、州内の数万人の医療従事者の給与が引き上げられることになった。
ダニエル・ムーキー財務相は判決後、「不可欠な労働者の賃金に投資する選択に謝罪はしない。特に生活費の圧迫が強い今、より良い公共サービスを提供するためだ」と述べた。また、「追加コストは数十億豪ドル規模になる見込みだが、これはNSW州の医療システムで最大規模の労働集団であることを考えれば当然だ」とし、この負担は今後3年間に分散されるとの見通しを示した。
今回の決定は、産業関係委員会(IRC)が、看護分野が「過小評価されてきた」と認定したことを受けたもの。特に新型コロナ以降、実質賃金の面で大きな打撃を受けていたとされる。ただし委員会は、賃上げを2024年まで遡及させるという要求は認めず、州財政への影響を考慮した。その代わり、2025年7月1日から適用し、数年にわたり段階的に引き上げるとしている。
主な賃上げ内容
・正看護師・助産師:16%増(うち10%は2025年7月に遡及、残りは2年間で各年3%)
・准看護師:18%増(12%遡及、残りは各年3%)
・看護助手(AIN):28%増(22%遡及、残りは各年3%)
委員会のイングマー・テイラー委員長は、今回の判断が州や国全体の財政に与える影響にも言及した。「賃上げはすべて借入で賄う必要がある」とし、「賃金が1%上がるごとに、州政府は年間約7540万豪ドルの追加負担を負う」と説明。その上で、「これによりインフラ投資やサービス提供の余力が減少するが、それは適切な賃上げを妨げる理由にはならない」と述べた。また、コロナ危機による異例のインフレが「一度限りの賃金リセットの正当な理由になる」とし、「看護師と助産師は現在、過小評価されており、是正が必要だ」と強調した。
一方、NSW州看護師・助産師協会のマイケル・ウェイツ事務局長は、今回の決定を「歴史的で記録的な賃上げ」と評価。ただし「正看護師に関しては、必要な構造改革を実現するにはまだ不十分だ」と述べ、さらなる改善の必要性を訴えた。また、「女性が多い職種であるために過小評価されてきた」と指摘し、「経済を理由に女性の仕事が低く評価され続けるのは、2026年にあって容認できない」と批判した。
ソース:news.com.au – NSW nurses payrise ‘will cost billions’