【NSW22日】 新たなデータにより、NSW州でADHDを持つ約1万人が、高額で負担の大きい専門医の受診を避け、かかりつけ医(GP)を通じて継続的な治療を受けていることが明らかになった。
州政府が昨年導入した制度改革により、NSW州では1100人以上のGPがADHDの精神刺激薬の継続処方を行うことが可能となっている。これらのGPのうち約44%はシドニー都市圏外に所在しており、これまでに約3万7900件の処方が行われている。王立一般開業医協会(RACGP)の分析によると、この改革により患者の自己負担費用は年間で約1000万豪ドル削減される見込みだ。
23日からは、制度に参加しているGPの所在地を示すNSW州政府のマップも利用可能となり、患者はより簡単に医師を見つけられるようになる。クリス・ミンズ州首相は、この改革により家計の負担が軽減され、「人々の手元にお金が戻る」と述べた。また「特に地方部での医療アクセス改善にもつながっている」と強調し、「住んでいる場所に関係なく、必要な医療は誰もが受けられるべきだ」と語った。
9月以降、参加GPは継続処方が可能となり、2月以降にはさらに300人以上の医師が新たに参加している。さらに改革の第2段階では、GPがADHDの診断と治療も行えるようになり、専門医への依存を減らすことで患者と医療システム双方の負担軽減が期待されている。この制度には少なくとも800人のGPが関心を示しており、現在311人が診断・治療のための研修を受けている。対象地域にはセントラルコースト、ファーウエスト、イラワラ、そしてシドニーが含まれる。
ローズ・ジャクソン精神保健相は、これまでに約3万7900件の処方が行われ、1回あたり250〜670豪ドル(専門医受診費用相当)の節約につながっていると説明した。「これはまさに数百万豪ドル規模で家計に還元されており、今ではより低コストでかかりつけ医から処方を受けられる」と述べた。さらに、この制度は専門医の待合室の混雑緩和にもつながり、本当に専門的治療が必要な患者が受診しやすくなる効果もあるという。
RACGPのNSW支部長レベッカ・ホフマン氏は、この改革がGPへの信頼を示すものであり、特に若年層の医療アクセス改善に寄与すると評価した。州政府はこれまでも、救急医療や専門医に依存せずに治療や薬へアクセスできる仕組みの整備を進めてきた。ホフマン氏は「多くの患者にとって、ADHDの継続的なケアはGPが担うのが適切」と述べた。
「この改革は逼迫した専門医システムの負担を軽減しつつ、患者中心でエビデンスに基づいた医療の継続を可能にしている」とした。また、「今後もGPの研修や明確な診療体制への投資が不可欠であり、制度の持続性と長期的な効果を確保する必要がある」と強調した。
なお今月初めには、労働党政権が450万豪ドルを投じ、条件を満たす薬剤師が避妊薬を直接処方できるようにすることで、女性がより安価かつ簡単にピルへアクセスできるようにする方針も発表されている。
ソース:news.com.au – Almost 10,000 people in NSW with ADHD got medication script through GP: data