【NSW28日】 シドニー中心部で路上生活をしていた留学生が死亡した問題を受け、政策の不備に対する調査と制度改革を求める声が高まっている。
NSW州の司法長官に対し、路上生活中に死亡し、6日間発見されなかった留学生の死について、検視審問(コロニアル・インクエスト)を開始するよう求める声が上がっている。
ネパール出身のビクラム・ラマさん(32)は昨年12月、シドニー中心部のハイドパーク内、セント・ジェームズ駅近くの茂みで遺体となって発見された。発見までの間、1日あたり約10万人がその場所を通り過ぎていたと推定されている。ラマさんはコンピューターサイエンスを学ぶためにオーストラリアに渡ったが、生活が困窮し、永住権を持たないため支援サービスにアクセスできなかったと報じられている。この出来事は、非居住者であることを理由に支援を受けられない路上生活者の問題を改めて浮き彫りにした。
シドニー市によると、昨年シドニーCBDで路上生活をしていた人は346人にのぼり、前年から24%増加。そのうち約18%がオーストラリアの居住者ではなかった。無所属議員のアレックス・グリニッジ氏は、今回の死亡に政策的な問題があったかを明らかにするため、検視審問の実施を求める書簡を司法長官に送付した。
書簡の中で同氏は、ラマさんがなぜ路上生活に至ったのか、またそれを防ぐ手段があったのかが不明であると指摘。「一時的なビザ保持者は、ホームレス状態からの立ち直りを支援する医療や福祉サービスにアクセスできない」と述べた。さらに、政策の不備や大学の留学生福祉への関与、支援サービスの不足、非居住者が医療や支援にアクセスする際の障壁などを含めて検証することが、同様の問題の再発防止につながると強調した。
これに対し、州司法長官の報道担当者は、現在検視官が警察からの証拠資料の提出を待っている段階であり、「提出後、通常の手続きに従って審問の実施可否が判断される」と説明した。また、シドニーのセント・ビンセント病院は、危機的状況にある非居住者やホームレスへの支援を強化するため、政府に対し早急な制度改革を求めている。非居住者はメディケアによる医療や緊急シェルターなどの支援を受けられず、食料や生活必需品を慈善団体に依存せざるを得ない、最も脆弱な立場にあるとされる。
同病院のホームレス医療サービス部門の責任者エリン・ロングボトム氏は、「今回の悲劇は、非居住者向けの支援体制に大きな欠陥があることを示している」と指摘し、「州政府および連邦政府に対し、危機時に必要な支援へアクセスできるよう制度の見直しを求める」と訴えた。
ソース:news.com.au – Attorney-General urged to probe death of international student Bikram Lama who died sleeping rough in Sydney CBD