【NT4日】 アンソニー・アルバニージー首相は、5歳の少女の死亡を受けて高まっているNT準州のタウンキャンプに関する調査実施の求めに対し、慎重な姿勢を示した。
首相は、5歳のクマンジャイ・リトル・ベイビーちゃんの死が国全体に悲しみと議論を広げる中、政府はすでにタウンキャンプの生活環境を改善する方法を把握していると述べた。アリススプリングスで発生したこの事件を受け、地域拠点でサービスを受けるために多くのアボリジナルの家族が暮らすタウンキャンプにおける過密状態、住宅不足、そして長年の社会課題に再び注目が集まっている。
首相はオーストラリア放送協会の取材で、今回の悲劇がタウンキャンプの資金や生活水準に関する正式な調査につながるべきか問われた。これに対し、首相は過去最大規模とされる住宅および基礎サービスへの投資を挙げ、「解決策はすでに分かっている」と強調した。「遠隔地域の住宅に約40億豪ドルを投じているのは、そのためだ」と首相は述べた。
少女はオールド・タイマーズ・タウンキャンプで最後に目撃され、その後トッド・リバー付近で遺体が発見された。これを受け、大規模な警察捜査が行われている。47歳のジェファーソン・ルイス容疑者が殺人罪で起訴され、現在も拘束されているが、罪状認否はまだ行っていない。
NT準州警察のマーティン・ドール長官は、この事件を「極めて痛ましい」と表現し、裁判が進行する中で司法手続きを尊重するよう地域社会に呼びかけた。また、この事件を受けて混乱も発生し、ルイス容疑者の逮捕後、アリススプリングス病院の外では数百人が暴動を起こした。警察によると、複数人が拘束されており、今後さらに逮捕者が出る見込みだという。
政治家の間でタウンキャンプ調査を求める声が高まる中、首相は住宅問題こそが状況改善の鍵であるとの認識を示した。「人々がタウンキャンプにいるのは、遠隔コミュニティに十分な住宅がないためだ。それが大きな違いを生む」と述べ、「これはNT準州における過去最大の住宅投資だ」と強調した。
調査の必要性について直接問われると、課題の大きさを認めつつも、政府はすでに問題を理解していると主張した。さらに、住宅支援だけでなく、安定した住まいがもたらす安心感、従来の効果が薄かった就労プログラムの廃止と実質的な賃金や職業訓練の導入、そして医療サービスの拡充など、包括的な対策が必要だと強調した。
アリススプリングス周辺には16のタウンキャンプがあり、約256世帯、1000人以上の常住者が暮らしている。住民数は、医療や教育などのサービスを受けるために遠隔地から家族が移動することにより、頻繁に変動する。これらのキャンプはタンゲンティエレ・カウンシル・アボリジナル・コーポレーションによって管理され、社会サービスやインフラの提供が行われている。
タウンキャンプの多くは、歴史的にアボリジナルの人々が町の区域内での居住や雇用、社会参加から排除されていたことを背景に形成された。現在も文化的に重要な場所であり、複数世代の家族や異なる言語グループが暮らしている一方、住宅環境にはばらつきがあり、過密状態は長年の大きな課題とされている。
過去の政府調査では、住宅が気候に適した設計になっていないケースや、施設の老朽化、ごみ問題などのインフラ課題が一部コミュニティで確認されている。また、サービス利用のために訪れる一時滞在者の存在も、住宅へのさらなる負担となっている。
NT準州政府は近年、アリススプリングスのタウンキャンプに1億1600万豪ドル以上を投資しているが、需要が供給を上回る状況が続いていると指摘されている。
ソース:news.com.au – Anthony Albanese questions need for town camp inquiry after Alice Springs tragedy