政治

印紙税・土地税の80億ドル減で大改革 NSW

【NSW8日】   約80億豪ドルの税収減と不安定な世界経済を背景に、オーストラリア最大の人口を抱えるNSW州で大規模な予算見直しが進められている。

州政府は生活費高騰への対策として、医療分野全体の見直しに着手。ライアン・パーク保健相は、今回の州予算を「極めて重要」と位置づけている。ダニエル・ムッキー財務相は今月後半に予算を発表予定だが、不動産関連の印紙税や土地税収が約80億豪ドル減少する見通しで、経済成長も鈍化すると予測されている。

今回の予算では、生活費対策とともに、米国とイスラエルによる対イラン情勢が引き起こした経済的な衝撃も大きなテーマとなる見込みだ。

パーク保健相は、医療の「アクセス向上」だけでなく「負担軽減」に重点を移していると説明する。「生活費の圧力が高まる中で、医療を後回しにする家庭が出ることは避けなければならない」と述べ、より安価な医療提供を目指す姿勢を強調した。

具体的には以下のような改革が進められている。

・ADHD治療薬を一般開業医(GP)が処方可能に
・避妊ピルを薬剤師が処方可能に
・テレヘルス型の「バーチャルケア」の拡充
・緊急ケアクリニックの増設(無料診療)

これらは、医療の利用しやすさを高めると同時に、家計への負担を減らす狙いがある。

一方で、公立病院、特に救急外来(ED)は逼迫が続いている。最新の報告では、救急受診者数、待ち時間、入院患者も増加している。その背景には、かかりつけ医(GP)へのアクセス不足があると指摘されている。

「定期的にGPにかかれないため、慢性疾患の患者が悪化してから病院に来るケースが増えている」とパーク氏は説明。2024年の報告では、救急外来患者の4人に1人が「本当はGPに行きたかった」と回答している。

州政府は対策として、バーチャルケアや電話相談サービスなどを整備し、軽症患者の受診先を分散させる「新たなルート」を作ろうとしている。また、高齢者介護や障害者支援(NDIS)の遅れによる「ベッド不足」も深刻な問題となっており、連邦政府に対し対応の加速を求めている。

連邦政府はこれら制度の改革を進める方針を示している。今回の予算は、税収減という逆風の中で、医療の質と家計負担のバランスをどう取るかが大きな焦点となっている。

ソース:news.com.au – $8bn dip in NSW stamp duty, land tax sparks sweeping reforms to tackle soaring family healthcare costs

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