【ACT23日】 来週、オーストラリア全土の携帯電話で緊急警報システムのテストが実施される予定で、一部地域の住民への影響を懸念する声が上がっている。クリスティ・マクベイン緊急事態管理相は、来週テスト予定の国家緊急警報システムについて、遠隔地にも対応可能だと強調し、各州から出ている有効性への懸念を否定した。
新システム「オースアラート」は、緊急事態が発生した地域の住民の携帯電話に直接通知を送る仕組みで、7月27日(月)に全ての携帯電話を対象としたテストが行われ、10月に正式導入される予定だ。テストでは、オーストラリア東部時間午後2時に、すべての携帯電話で10秒間の大音量アラートが鳴る。
マクベイン氏は、システムには「セルブロードキャスト技術」が使われており、これは35か国で実績があり、通信事業者に依存しない点が強みだと説明した。通知は通常のSMSではなく、より大きく表示される特別なアラートとして届くという。また、ブラックサマーと呼ばれる大規模森林火災の際には、通信事業者のネットワークに依存していたため、一部の人が数日間警報を受け取れなかったと指摘し、今回の技術ではその問題が解消されるとした。
新システムでは、近くの基地局から特定地域内のすべての対応端末に同時に通知が送られる仕組みで、「電話番号宛てに送るのではなく、その地域にある端末すべてに一斉送信する」と説明した。一方で、WA州やQLD州の当局からは、固定電話に依存する遠隔地の住民に届かない可能性への懸念も出ている。
これに対しマクベイン氏は、固定電話向けの自動音声通知を含む従来のシステムも並行して運用すると説明し、両方の仕組みで対応するとした。政府はこれまでに9回の地域試験を実施しており、今後も州・準州と連携しながら、災害リスクの高い気象シーズンに向けて最新技術の導入を進めるとしている。また、複数のアラートが同時に届くことで混乱が生じるとの指摘についても、「災害時にはできるだけ多くの情報が求められる」として否定した。
マクベイン氏は、このシステムは「万能ではなく、あくまで対策の一つ」と位置づけた。さらに、家庭内暴力の被害者に対しては注意喚起も行われている。安全確保のために隠し携帯電話を使用している場合は、テスト後少なくとも24時間は電源を切るか機内モードにするよう呼びかけた。
支援団体ウェスネットのカレン・ベントリー最高経営責任者は、アラートは「おやすみモード」やサイレント設定でも受信されるとしつつ、電源オフや機内モードであれば受信されないと説明した。その上で、正式導入後は被害者自身がリスクを踏まえた安全計画を立て、必要に応じて携帯電話の使用方法を判断する必要があると述べた。
ソース:news.com.au – ‘No silver bullet’: Emergency Management Minister rejects concerns over AusAlert warning system