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豪首相がロンドン訪問 貿易改革を訴え

【ロンドン5日AAP】  連邦政府のモリソン首相は5日、ロンドンのオーストラリア・英国商工会議所で講演し、貿易を「ゼロサムゲーム」と捉えることを何としても避けるべきとの考えを示した。ゼロサムゲームとは、自国が貿易黒字国に輸入品を買わされる上に国内の雇用は奪われ、駆け引きに負けるとする考え方だ。

 

モリソン首相は集まったビジネスリーダーを前に、世界の貿易システムが「真に迫った、長引くプレッシャー」のもとにあると危機感を示し、特に米中間の貿易紛争により、何十億人もの生活が危機的な状況に陥っているとの見方を示した。さらに、戦後の自由な経済関係を形作ったブレットン・ウッズ協定などを例に挙げ、国際関係は経済関係だけでなく、経験や歴史の共有に基づいたものであるべきだと主張した。

 

ブレットン・ウッズ協定では、世界銀行や国際通貨基金(IMF)の設置、国際為替相場制の確立、最終的に世界貿易機構(WTO)の設立が実現し、戦後の経済復興を支えた。モリソン首相はまた、英国のEU離脱問題のように、国際関係のさらなる悪化を避けるため、WTOの再構築が必要との考えを示した。

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