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豪でZ世代男性の保守化が加速 調査

【NSW18日】  オーストラリアのZ世代(1997~2012年生まれ)の男性は、「社会の進歩」から自分たちが取り残されていると感じ、男女の役割に関し、より保守的になっていることが、シンクタンクe61 インスティテュートによる最新調査で明らかになった。

調査では、連邦政府が社会サービス省を通して実施した「Household, Income and Labour Dynamics in Australia (HILDA)」 調査のデータをもとに分析を行った。調査内容として、「男性は女性より政治指導者に向いている」、「男性が稼ぎ、女性が家事や育児をするほうが全てにとって良い」、「女性の収入が男性より多いと良い関係を築けない」などの問いが含まれた。

約10万件の回答を分析した結果、「Z世代の男性は55~64歳の男性よりステレオタイプ的なジェンダー観を持っている」ことが明らかになり、若い男性の「保守化」の背景として、SNSの影響や、英国人インフルエンサーのアンドリュー・テイトが象徴する、マノスフィア(Manosphere)と呼ばれる文化的な影響が大きいとみられている。

青少年のメンタルヘルス専門家で心理学者のマイケル・カー=グレッグ氏は、e61による調査結果について、自身が診察する患者にみられる傾向と一致しているとし、若い男性にとって「伝統的な男らしさは、“男とは何か”という問に対する明確で馴染みのある台本」のような意味を持つようになっていると分析した。

また、調査会社エッセンシャル・メディアが行った調査でも、オーストラリアで35歳以下の男性がこれまでにないスピードで保守化しており、政治家では「厳しい物言い」で知られる最大野党のダットン党首が人気を集めていることが明らかになった。

エッセンシャル・メディアの調査責任者ピーター・ルイス氏は、世論調査は「何が起きているか」は教えてくれるが、「なぜ起きているか」まで分からないとした上で、「多くの若い男性は、自分たちが社会的な議論の中で十分に取り上げられていない」と感じているのではないかと分析した。

 

ソース:news.com.au-‘Feeling left behind’: Young Australian men reverting to traditional view of gender roles

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