【WA30日】 WA州のペンギン島に生息するフェアリーペンギンの個体数が過去17年間で絶滅状態となっており、科学者らが警鐘を鳴らしている。
ペンギン島は同州の海岸線沖、パースの南約53㎞にあるロッキンガム近郊に位置しているが、現在島に残っているペンギンの個体数は97羽と推定されている。科学者らは過去30年にわたりフェアリーペンギンを研究し、繁殖を試みている個体数の減少を観察してきたが、環境条件と水上バイクの利用が減少の原因とされている。ロッキンガム市長は、長期的に減少傾向にあるのが懸念材料だとし「フェアリーペンギンはこの地域の象徴的な存在。地元住民や観光客に愛される観光資源であり、地域社会はペンギンを大切に思っている」と述べた。
西オーストラリア大学の研究員であるベリンダ・カネール氏の報告書によると、フェアリーペンギンの保護活動の必要性は人々のレクリエーション需要と大きく異なることを明らかにした。ペンギン島は、透き通った海、砂浜、野生生物を求める観光客やボート利用者に人気のスポットだが「レクレーション用の船舶によるペンギンの負傷事故が、死亡原因の4分の1以上を占めており、最も主要な死因となっている」とし、島周辺の水上レジャー活動やその他の環境要因が動物を死に至らせていると同氏は訴えている。
地域住民らは、ペンギンの個体群が絶滅する前に、関連当局が直ちに対策を講じて個体群維持を図るよう求めている。「ロックインガム・コビトペンギン保護キャンペーン」の活動家ドーン・ジェックス氏は、20年にわたる管理不備がペンギンの窮状を招いたと指摘。個体数の継続的な減少は、政府の「場当たり的な保護対策が不十分であることを示している」とし「島に生息するペンギンにとって重要な繁殖時期である今こそ、保護‘支援する具体的な行動を計画し実施すべき」と語った。
ソース:news.com.au – Little penguin population on WA’s Penguin Island almost wiped out