【ACT2日】 オーストラリア連邦議会は2日、労働党が提出した新法を可決し、医薬品給付制度(PBS)に登録されている処方薬の価格を2026年1月1日から現行の31.60ドルから25ドルに引き下げることを決定した。さらに一部の薬は7.70ドルまで低価格化される見込みで、国内家庭の医療費負担軽減が期待される。
この措置は、アルバニージ首相が選挙中に掲げた公約であり、超党派の支持を得て成立した。一方、無所属のファティマ・ペイマン上院議員は、2025年8月時点で300種類以上の医薬品が不足している現状を指摘。「薬そのものがなければ、価格を下げても意味がない」として動議を提出し可決された。しかし、薬価を20ドルまで引き下げる修正案は否決された。
米国がオーストラリアからの20億ドル規模の医薬品輸入に最大250%の関税を課す可能性がある中で、国内の医療費負担軽減を重視した政策だが、労働党はPBSが交渉対象にならないことを強調している。
マーク・バトラー保健相を代表して上院で発言したジェニー・マカリスター議員は、「薬を適時に入手できることは、家庭の健康維持に直結する。高齢者や慢性疾患を抱える家族にとって大きな支援となる」と述べ、家庭への具体的な恩恵を強調した。また「薬価の低下は、健康悪化による緊急医療利用の抑制にもつながり、医療全体への波及効果も期待できる」と指摘した。
これにより、長期的には多くの市民が必要な医薬品を負担を抑えて入手できる環境が整う見込みだ。
ソース:news.com.au – Cost of PBS scripts to be dropped to $25 from January 1