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シドニー空港発のタクシー運賃、定額制を試験導入

【NSW13日】   シドニー空港から市内中心部(CBD)までのタクシー運賃は、11月3日から上限が設定されることになった。12か月間の試験的な定額制で、背景には一部の運転手がメーターを切って法外な料金を請求する行為が後を絶たないことがある。

今回の制度では、空港からCBDまでの運賃は一律60豪ドルに固定され、通行料や追加料金を乗客に転嫁することは禁止される。ニューヨークのJFK空港など、世界各地の主要空港で導入されている仕組みと同様のものだ。

シドニー空港では、国際線・国内線両ターミナルから毎日最大5000台のタクシーが利用されているが、一部運転手がメーターを使用せず、市内までの13kmの短距離に150豪ドル以上を請求するケースが報告されている。2022年11月に「タクシー運賃ホットライン」が設置されて以降、NSW州ポイント・トゥ・ポイント輸送委員会は1100件以上の罰金を科し、5000件の返金を処理した。

実際に、ある運転手は国際線ターミナルからCBDのホテルまで188ドルを請求し、メーター使用を拒否したとして2000ドルの罰金を科されている。

NSW州のジョン・グラハム運輸相は「観光客が一度でも悪い体験をすれば、その評判は世界中に広がる。シドニーの築いてきた良いイメージを守るため、常に公正な運賃を保証する必要がある」と強調した。

NSWタクシー協会のニック・エイブラハムCEOもこの試験導入を歓迎。「乗客に安心感と信頼を与える大きな一歩。成功すれば、他の主要拠点や空港への帰路にも拡大したい」と述べた。

シドニー空港のスコット・チャールトンCEOは「年間4000万人以上が空港を利用し、多くの旅行者にとってタクシーがオーストラリアの第一印象になる。定額運賃で安心感を与えられるのは大きな進歩だ」と評価した。

輸送委員会のアンソニー・ウィング氏も「この試験導入は過剰請求を未然に防ぐための有効な対策であり、路上検査官の活動を補完するものだ」として、州内の全ての乗車を安全で公正にすることを目指すとした。

ソース:news.com.au – ‘Time for a fair fare’: Sydney Airport taxi fares about to be capped during 12-month trial

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