【ACT17日】 オーストラリアの大手航空会社ヴァージン・オーストラリアが、国内初となる「Pets in Cabin」フライトを正式に開始した。
10月16日(木)、メルボルン空港を出発する便を皮切りに、メルボルン、ゴールドコースト、サンシャインコーストを結ぶ一部路線で、小型犬や猫を客室内に同伴できるチケットが販売中。運賃は1匹149ドルからで、試験運用は2026年1月30日まで。その後、国内ネットワーク全体への展開が予定されている。
ただし、利用には条件がある。対象は8kg未満(キャリー込み)の小型犬と猫に限られ、1便あたり最大4匹まで。同伴ペットは、認可済みの柔らかく防水性のあるキャリーに入れられ、飼い主の座席前のスペースに収納されたまま移動する必要がある。座席は窓側指定(18A、18F、20A、20F)となり、試験期間中はメルボルン―ゴールドコースト便で猫の搭乗は認められない。
さらに、ワクチン接種を済ませていることが条件であり、生後8週間未満や12歳以上のペット、健康上の問題がある場合、短頭種犬などは獣医師の搭乗許可証明が必要となる。
この取り組みは、2021年に実施されたヴァージン・オーストラリアのフェイスブック投票で「85%が機内ペット賛成」との結果が示された世論を受けたもの。同社の医療責任者ケリー・ボフキン医師は、機内のHEPAフィルターによって99%以上の浮遊粒子(ペットの毛などを含む)が除去されること、さらにペット同伴座席の周囲に新たに「バッファーゾーン」を設けることでアレルギーへの配慮も行っていると説明した。
国内の約7割の世帯がペットを飼っていることから、需要が高いと見込まれ、ペットフレンドリーなホテルや観光業界にも波及効果が期待されている。
ヴァージン・オーストラリアは、オンラインチェックインの導入や「ミドル・シート抽選(Middle Seat Lottery)」など、業界初の取り組みを重ねてきた。今回の「Pets in Cabin」もその流れを象徴する試みだ。現在は試験導入だが、成功すれば近い将来、オーストラリアの空で犬や猫が「パッセンジャー(paw-sengers)」として日常的に見られるようになるかもしれない。
ソース:news.com.au – Paws in the air: Virgin Australia makes history with pet-friendly flights