【NSW15日】 シドニー空港は、2000年シドニー五輪以来となる大規模改修計画を発表した。国内線ターミナルを統合し、新たな巨大ハブとして年間7000万人の利用を見込む構想で、2045年までに実現を目指す。
この計画は「2045年マスタープラン」の一環で、既存の国内線ターミナルT2とT3を接続し、新たに12の搭乗ゲートを備えたターミナルを建設する。さらに国際線ターミナル(T1)にも2ゲートが追加される予定だ。資金承認が得られれば、完成は2027年末から2028年初め頃と見込まれている。新エリアは地域便、国内便、国際便をすべて一つの屋根の下で扱えるようになる。
空港側は、この拡張により「利便性の向上、柔軟な施設、増加する航空機の受け入れ、国際線・国内線の発着能力拡大」を実現すると説明している。需要予測によれば、2045年には利用客数が現在より75%増加し、年間7260万人に達する見込み。国際線利用者の割合も現在の約40%から約50%へと拡大する。
この発表は、西シドニー国際空港(2026年開港予定)の準備が進む中で行われた。スコット・チャールトンCEOは「2045年までにシドニー地域の主要空港全体の利用者の約8割を受け入れることになる。我々は安全性、利便性、顧客サービス、環境性能に重点を置き、世界水準の体験を提供する」と強調した。
経済効果については、2045年には年間約706億豪ドルを生み出すと推計されている。開発コストは公表されていないが、10億豪ドル以上に達する可能性も指摘されている。貨物輸送量も、現在の年間60万トンから2045年には140万トンに拡大する見込み。ただし、その一部は西シドニー空港にシフトし、同空港だけで54万6700トンを扱うとされる。
雇用面では、現在の約35万4800人から、2045年には55万9000人のフルタイム雇用を支えると見込まれる。また、報告書では環境戦略にも大きく触れられており、2030年までに実質ゼロエミッションを目指す方針を掲げている。
ソース:news.com.au – Sydney Airport releases 20 year plan, domestic terminal expansion