政治

豪首相「在職中に共和国の国民投票は行わない」

【ACT28日】   アンソニー・アルバニージー首相は、約200年にわたりオーストラリアに影を落としてきた問題について、大きな方針を明らかにした。

アルバニージー首相は、チャールズ国王との会談後、自身が首相である間はオーストラリア共和国に関する国民投票を実施しないと宣言した。国王は27日、スコットランドのバルモラル城で首相を迎え入れた。

28日に放送されたインタビューで、アルバニージー首相は国王に共和国についての考えを伝えたかどうか問われた。首相は、議会への「先住民の声(Voice)」をめぐる国民投票に言及しながら、「首相として一度だけ国民投票を行いたいと明言してきたが、それを実行して失敗した。今は生活費対策や人々の暮らしに実際的な違いをもたらすことに集中している」と答えた。

首相は、「オーストラリア国王に会うためにスコットランドに行くのは奇妙だと思わないか」と問われると「もちろんそうだ」と答えつつ、チャールズ国王が自身の「オーストラリア人を国家元首にすべき」という考えを十分に理解していることも明かした。また、「しかし、すでに下された決定や現在の統治制度を尊重することも重要だと考える。私は常に、今ある制度を支持して行動してきた」と述べた。

現代オーストラリアにおける王室の役割についてさらに問われると、首相は「依然として大きな敬意を集めている」との考えを示し、「昨年国王とカミラ王妃が訪豪された折には、とても温かく迎えられた。お二人は世界におけるオーストラリアの立場に関心を寄せておられる。コモンウェルスにも強い関心を持っており、国民から尊敬されている」と答えた。

オーストラリアが王室を廃止するかどうかという問題は、約200年にわたり存在してきた。共和国構想は、アメリカ独立革命に触発され、連邦成立以前から語られていたが、真剣に受け止められることはなかった。1854年のわずか15分間で終結したユーリカ砦の戦いが、唯一「革命」に近い出来事だったとされる。

オーストラリアでは1990年代に共和国への機運が高まり、1999年に国民投票が実施されたが、賛成は45.13%にとどまり、否決された。近年の世論調査でも、多くの国民が引き続き王室を支持している。昨年の国王訪豪時に実施されたロイ・モーガンの調査では、57%が立憲君主制の維持を支持し、43%が共和国化を支持した。2023年のYouGov調査でも、国民の多くが急いで王室を廃止しようとしていないことが示された。

一方で、オーストラリア共和主義運動は「92%の国民が共和国化に前向き」と主張している。

ソース:news.com.au – Anthony Albanese says no republic referendum while he is PM

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