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大手スーパーに価格つり上げ防止のための規制を導入へ

【ACT20日】   オーストラリア政府は、「価格つり上げ(プライス・ガウジング)」を抑制するため、新たな強力な法律を導入しようとしている。違反したスーパーマーケットには、数千万豪ドル規模の罰金が科される可能性がある。

アンドリュー・リー競争担当補佐大臣は月曜日、報道陣に対し、この新法は年内に施行される見込みで、英国やEUの類似制度を参考にしていると述べた。

「罰金額は1,000万豪ドル、不正に得た利益の3倍、もしくは年間売上高の最大10%のいずれかになる。数十億豪ドル規模の企業にとっては非常に大きな罰則だ」と説明した。売上高300億豪ドルを超える企業が対象となり、特にスーパーマーケット業界で「大きな市場シェア」を占めるコールズとウールワースの名が挙がった。

一方、オーストラリア小売業協会のクリス・ロドウェルCEOは「この業界はすでに厳しく規制されており、さらなる官僚的手続きが価格を下げることにはつながらない」と反論。「価格つり上げの証拠は見つかっていない。オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)の最新報告でも、オーストラリアの食品インフレ率はOECD諸国の中でも低いとされている。コールズとウールワースの純利益率も3%未満で安定している」と述べた。

リー氏によると、ルールに違反していない企業は透明性や法執行を恐れる必要はなく、この法律の目的は「消費者がレジで公正な価格を支払えるようにすることであり、スーパーを罰することではない」と述べた。違反の判断は、仕入れコスト、妥当な利益率の喪失、他国との価格比較などをもとに裁判所が行う。政府は11月3日まで新法案に関する意見募集を行っており、スーパー、仕入れ業者、消費者に広く参加を呼びかけている。

この発表は、アンソニー・アルバニージー首相が先月、アラブ首長国連邦のハイパーマーケット「ルル(Lulu)」のオーストラリア進出を歓迎し、コールズとウールワースへの競争圧力を高めるべきだと発言した直後に行われたもの。

なお、コールズとウールワースはパンデミック時の価格つり上げ疑惑を受けてACCCの調査対象となったが、同委員会は最終的に不正の確証を得られなかった。それでも両社はオーストラリア国内の食料品売上の約3分の2を占め、2024–25年度の決算ではコールズが10億8,000万豪ドル、ウールワースが14億豪ドルの利益を報告している。

ソース:news.com.au – Excessive pricing rules to combat price gouging, Labor says

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