政治

VIC首相、先住民との条約を正式に法制化

【VIC13日】   オーストラリア史上初となる、先住民との条約が正式に法制化された。

VIC州のジャシンタ・アレン首相は、10月下旬に州議会で可決された法案に署名し、先住民が自らの統治により大きな権限と主導権を持つことを目的とした画期的な社会改革を完了させた。この「条約(Treaty)」により、先住民を代表し意思決定を行う新たな組織「ゲルン・ワール(Gellung Warl)」が設立される。同機関は、先住民を代表して州全体の条約交渉を行うほか、「真実の共有と癒やしの促進」を担い、議会や政府に対して先住民関連の助言を行う役割も持つ。

アレン首相は「今日は、古代の法体系と現代民主主義の制度が共に歩む日」と述べ、「互いに尊重し、協働する二つの世界が出会うことで、健康、住宅、教育、文化など、人々の生活に関わる分野でより良い結果をもたらす」と強調した。条約の正式な発効は、12月12日にメルボルンのフェデレーション・スクエアで行われる政府と先住民議会のセレモニーをもって開始される予定だ。

この法案は労働党、緑の党、アニマル・ジャスティス党、リーガライズ・カナビス党の賛成で成立したが、自由党は反対票を投じた。VIC州先住民代表議会は、この法案の成立を歓迎し、「この日を子どもたちに伝え、さらにその子どもたちへと語り継いでいく。先住民の長年の闘いと強い意志が、オーストラリア初の条約を実現させた」と共同議長のナラ・マレー氏(ワンバ・ワンバ、ヨルタ・ヨルタ、ジャジャ・ウロン、ドゥドゥロア出身)は述べた。

一方で、この動きは賛否を呼んでいる。2年前に実施された「ボイス(Voice)」国民投票が否決された直後のタイミングでもあり、当時VIC州では54%(約210万人)、全国では60%が反対票を投じていた。

ソース:news.com.au – Victorian Premier Jacinta Allan formally signs Treaty with Indigenous people into law

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