【ACT11日】 新たな渡航ルールの導入により、オーストラリア人旅行者は欧州連合(EU)入域時に遅延が発生する可能性があると警告されている。
EU非加盟国の渡航者を対象とした新しい登録システムが導入され、ヨーロッパの国境到着時に待ち時間が長くなる可能性があるという。新たに導入されたデジタル入出域システム「EES(Entry/Exit System)」は、シェンゲン圏(欧州29カ国)を出入りするすべての非EU国民を対象に登録を行う仕組みだ。このシステムは昨年10月から段階的に導入が始まり、現在は29カ国すべてで実施されている。
導入後に初めて入域する旅行者は、指紋採取や顔写真の撮影、入国審査の質問への回答が求められ、生体情報を含むデジタル記録が作成される。一方、3年以内に再び訪れる場合は、再入出国時に指紋または顔写真の提示のみで済み、従来のパスポートスタンプは不要となる。ただし、有効なパスポートの所持は引き続き必要だ。
オーストラリア政府の渡航情報サイトは「登録手続き自体は数分で完了するが、導入初期は国境での待ち時間が長くなる可能性がある」と注意喚起している。この新システムにより、旅行者はシェンゲン圏29カ国間を自由に移動でき、国ごとにビザを取得したり、都度の入国審査を受ける必要がなくなる。対象国には、オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイスなどが含まれる。
ただし、許可された滞在期間を超えた場合、拘束・強制退去・罰金、さらには将来のEU入域禁止といった措置が取られる可能性がある。また、180日間のうち90日を超えて滞在する場合や、観光・ビジネス・イベント・医療・乗り継ぎ以外の目的での渡航にはビザが必要となることがある。さらに一部の国では、到着の3日前までに事前登録が求められる場合もある。
EU委員会の報道官は、4月10日からEESがパスポートスタンプに代わり、滞在期限超過者の自動検出が可能になったと説明している。「EESは不法移民の防止に寄与し、欧州に住む人々や旅行者の安全確保に役立つ」と述べた。また、「滞在期限を超えた人物や、偽造・不正な書類で国境を越えようとする者の特定も効率化される」としている。
一方、国際航空運送協会(IATA)は、この新システムにより引き続き大きな遅延が発生しており、夏の繁忙期には待ち時間が4時間以上に達する可能性があると警告している。IATAの対外関係担当シニアバイスプレジデント、トーマス・レイナート氏は、EU当局が「順調に機能している」と認識している一方で、実際の現場との間に大きな乖離があると指摘した。「実際には、EU域外からの旅行者は大幅な遅延と不便を強いられている。この状況は早急に改善されるべきだ。EESの導入は、現場の運用に柔軟に対応できるものでなければならない。それが成功の絶対条件であり、効率的で魅力的な渡航先としてのEUの評価を守るためにも不可欠だ」
ソース:news.com.au – Aussie travellers warned to expect delays as new European Union travel rules begin