【ACT30日】 予防可能な病気の増加により医療体制が限界に近づいているとして、オーストラリアの医師団体が砂糖入り飲料への課税と医療制度の大幅改革を政府に求めている。
オーストラリア医師会(AMA)は2026〜27年度予算に向けた提言を発表し、砂糖入り飲料への全国的な税の導入に加え、一般診療、公立病院、民間医療保険、医療人材への大規模な投資を訴えた。AMAによると、オーストラリアでは肥満がすでに喫煙を上回り、疾病負担の最大のリスク要因となっている。こうした傾向を抑えるため、砂糖飲料への課税は最もシンプルで効果的な手段の一つだとしている。
同団体の会長であるダニエル・マクマレン氏は、「世界130以上の地域で砂糖飲料税が導入され、砂糖消費の減少という明確な効果が確認されている」と述べた。提案では、砂糖100グラムあたり50セントの税を課すとしており、一般的な375mlの炭酸飲料は約20セント値上がりする見込みだ。
オーストラリアでは年間24億リットル以上の砂糖飲料が消費されており、これはオリンピックプール約960杯分に相当する。試算では、この税により1人あたり年間約2kgの砂糖摂取が減少し、4年間で約36億ドルの税収が見込まれている。また、メーカーによる製品の低糖化も促されるとされる。
AMAは「医療制度が予防可能な病気の負担をすべて吸収し続けることは不可能だ」と警告し、持続可能な医療のためには予防重視の政策が不可欠だと強調した。
提言には、一般診療の資金配分を見直すため、4年間で49億豪ドルの投資も含まれている。現在のメディケアの診療体系を、短時間診療から1時間以上の診療まで7段階に分ける新制度に置き換え、複雑な症例への長時間診療が不利にならないようにする狙いだ。
報告は公立病院の現状についても厳しい見方を示している。救急車の受け入れ遅延や長い待ち時間、さらに高齢者ケアや障害者支援の不足により患者が退院できない「出口の詰まり」が問題となっている。病床数は人口1000人あたり平均2.5床まで減少しており、AMAは連邦政府に対し、公立病院運営費の45%負担と病床拡充のための資金投入を求めている。
人材不足への対策として、独立した国家レベルの人材計画機関の設立や、専門医研修枠を3年で920人から1700人へ拡大する案も提示された。特に地方・地域部での人材確保が重視されている。
さらに、民間医療保険についても大きな見直しを求めており、保険料の90%以上を患者ケアに充てる最低支払率の義務化を提案している。AMAは、保険会社が過去最高の利益を上げている一方で、その恩恵が苦境にある民間病院に十分に還元されていないと指摘している。
ソース:news.com.au – Doctors push sugary drinks tax as obesity overtakes tobacco in disease burden