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豪の失業率、4月に4.5%へ上昇

【ACT21日】   インフレが企業収益を圧迫する中、オーストラリアの最新の失業率が明らかになった。

4月の失業率は4.5%に上昇し、2021年11月以来の高水準となった。21日に発表された月次データによると、失業率は0.2ポイント上昇し、就業者数は3万3000人減少した。男性の失業率は4.6%で横ばいだった一方、女性は0.4ポイント上昇し4.4%となった。

グローバルX ETFsのストラテジスト、マーク・ジョカム氏は、この雇用データを「厳しいものだ」と評価。「オーストラリアの労働市場は、もはや要塞というより、経済の波に少しずつ削られていく砂の城のようになりつつある」と述べた。また、企業はコスト上昇や中東情勢の不安、政策の不透明さによって、採用や投資の判断が難しくなっていると指摘した。

一方で、調査期間がイースターや学校休暇と重なっていたため、「弱さがやや誇張されている可能性もある」とも指摘した。市場では、6月の会合でオーストラリア準備銀行(RBA)は様子見姿勢を取るとの見方が強く、インフレが改善しなければ8月が次の重要な判断時期になると予想されている。

ジム・チャルマーズ財務相は、金利について中央銀行に助言することはないとしつつ、「当然ながら雇用データは考慮される」と述べた。また、失業率の上昇は予想されていた動きだと説明した。

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、失業増加の背景としてドナルド・トランプ氏やイランの石油ショックを挙げ、来月は金利を据え置くよう求めている。

ACTUのリアム・オブライエン次官は、特に女性の雇用減少に懸念を示した。「中央銀行は雇用の最大化という使命を考慮すべきだ。働く人々、特に女性は雇用の維持を期待している」と述べた。

一方、オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのハリー・マコーリー氏は、今回の失業率上昇が米国とイランの対立だけによるものではないとの見方を示した。「企業の採用判断は通常、経済ショックより遅れて反応する。今回の動きはむしろ戦争前の経済心理や石油危機の影響を反映している可能性が高い」と述べた。同氏は、失業率は2027年後半に4.8%でピークに達すると予測している。また、民間消費の減速や厳しい経営環境により採用は鈍化し、企業の信頼感も低下していると指摘した。

BDOのアンダース・マグヌッソン氏は、今回のデータは労働市場の緩和を示していると述べた。一方で、総労働時間が増加していることから、「見た目ほど急速には冷え込んでいない」という複雑な状況も示していると分析した。実際、総労働時間は季節調整済みで0.8%増加し、前月比で1580万時間増えた。

地域別では、QLD州で最も多くの人が労働市場から離れ、失業率は0.5ポイント上昇して4.2%となった。NSW州とSA州は0.2ポイント上昇、TAS州は0.3ポイント上昇、VIC州は横ばい、WA州は0.1ポイント低下した。

今回の失業率上昇は、2021年のロックダウン以来の高水準であり、今年2月と3月の利上げ後、5月の利上げの影響がまだ反映される前の段階で起きている。インフレは約3年ぶりの高水準に近づいており、今回の雇用データは市場予想を上回った。

オーストラリア統計局のショーン・クリック氏は、「4月としては例年より多くの人が失業状態にとどまった」と述べ、女性雇用の減少が全体の雇用減少を主導したと説明した。

内訳として、フルタイムが1万9000人減、パートタイムが1万3000人減となった。また、就業者は1万9000人減少した一方、求職者は3万3000人増加した。月間では1万8600人分の雇用が失われ、1万5000人分の雇用が新たに創出された。企業の投入コストは四半期ベースで4.5%上昇し、2022年のインフレ急騰以来の高水準となっている。

ソース:news.com.au – Unemployment rate up to 4.5 per cent in April

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