【ACT10日】 中東での暴力が激化する中、オーストラリア、英国および同盟国は、加害者のイスラエルが「ほぼ不処罰」の状態にあるとして対応を強化する方針を示した。
新たな報告書で、占領下のヨルダン川西岸におけるイスラエル人入植者によるパレスチナ人への攻撃が急増していることが明らかとなり、オーストラリアと同盟国は「制裁およびその他の措置」を連携して実施する方針を打ち出した。
国連によると、過去1年間で少なくとも7人のパレスチナ人が死亡し、800人以上が負傷しており、2024年と比べて130%の増加となっている。イスラエルとパレスチナ自治政府の統治区域が混在する同地域では、ハマスによる2023年10月7日のイスラエル攻撃(1200人以上が死亡)以降、暴力が急激に拡大している。また、イスラエル政府が国際法上違法とされる入植地の急速な拡大を承認していることも背景にある。
オーストラリア、カナダ、フランス、ノルウェー、英国の外相は共同声明で、「西岸地区の悪化する状況」に対応するため、「過激な入植者に責任を負わせるための制裁などの協調行動」を取ると表明した。声明では、「過激で暴力的な入植者は、支持者の後押しを受けながら、パレスチナ人を攻撃し人権を侵害し続けている」と指摘した。
さらに、「彼らは暴力によってパレスチナ人を追い出し、財産を破壊し、違法な入植活動を拡大させており、パレスチナ国家の実現可能性や平和共存の見通しを損なっている」と非難した。また、入植者による暴力は長年にわたり「ほぼ不処罰」で行われてきたとし、「一部のケースではイスラエル治安部隊の保護の下で行われている」とも指摘した。
各国外相は、イスラエル政府に対し、すべての攻撃を迅速かつ徹底的に調査し、暴力を助長する拠点や組織への対処、扇動の停止を求めた。
一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、西岸地区の遊牧民ベドウィンや牧畜コミュニティに対する「民族浄化」が行われているとする厳しい報告書を発表した。同団体のアニエス・カラマール事務総長は、「過去3年半で、イスラエル当局は国家主導の民族浄化を加速させ、パレスチナ人コミュニティの追放や財産剥奪、強制移住を進めている」と述べた。また、「これは一部の過激な入植者によるものではなく、国際法に明確に違反する国家主導の併合であり、世界の目の前で進行している」と指摘した。
報告書によると、ヨルダン渓谷や南ヘブロン丘陵など、イスラエルが直接支配する「エリアC」の地域で、コミュニティが強制的に移住させられているとされる。さらに、イスラエルのNGO「ピース・ナウ」のデータでは、2026年4月末までに西岸地区に363の入植拠点が設置され、そのうち212は2023年以降に新設されたという。
また、イスラエル国内での銃器所持許可が急増しており、パレスチナ人にとって兵士と武装した入植者の区別が難しくなっていると指摘された。2026年1月までに、24万人以上のイスラエル市民が銃器所持許可を取得しており、これは2023年10月7日の攻撃後の政策変更以前の年間平均8000件と比べて15倍に増加している。
オーストラリアのペニー・ウォン外相は先週、議会で「パレスチナの人々が合意された国境のもとで安全に暮らし、イスラエルとの平和が実現することを望んでいる」と述べた。これは、アルバニージー政権が初めて西岸地区のイスラエル入植農場に制裁を科した直後の発言だった。
近年、ハマスの攻撃とその後のガザ地区での軍事行動(7万5000人以上が死亡)をめぐり、オーストラリアとイスラエルの関係は緊張する場面もあった。昨年、オーストラリアやカナダ、英国などはパレスチナ国家を承認したが、完全な外交関係の樹立はパレスチナ自治政府の改革が条件とされている。
国連の報告書は、イスラエル当局が資金提供や軍事支援、不処罰の付与を通じて入植者の攻撃に「直接関与している」とも指摘している。今月初めには、イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相が西岸地区で2100戸以上の新規住宅建設を承認し、既存の拠点の合法化を進める方針を発表した。
ソース:news.com.au – Australia, UK and allies move to sanction Israeli settlers as Palestine violence surges