【NSW26日】 数百万世帯が、東海岸全体で電力価格が下落することにより、今冬のエネルギー料金を節約できる。
26日に発表されたオーストラリア・エネルギー規制当局(AER)の最終デフォルト市場オファー(DMO)によると、定額料金プランの家庭では、NSW州で年間3.4%(66ドル)〜5%(137ドル)の値下げ、南東QLD州では7.2%(155ドル)の値下げとなる(いずれも前年比)。
一方、SA州では、定額料金の家庭向け価格が1.4%(33ドル)上昇する。スマートメーターを使用する時間帯別料金プランでは、DMOが適用される3地域すべてで節約が見込まれる。
比較サイトCanstarのデータインサイトディレクター、サリー・ティンダル氏は、この変更はオーストラリアの家庭にとって大きな前進だと評価した。一方、「SA州は今回は恩恵が少なく、定額プランの標準料金は7月1日から1.3%上昇する見込みで、卸電力価格の高さに苦しむ同州にとっては厳しい状況だ」としている。
東海岸の中小企業は特に大きな恩恵を受ける見込みで、NSW州では請求額が11.3%(705ドル)削減される。南東QLD州では10.4%(445ドル)、SA州では6.8%(379ドル)の削減となる。
時間帯別料金の中小企業では、NSWで20.9%(1303ドル)、南東QLD州で14%(601ドル)、SA州で12.1%(673ドル)の値下げが見込まれる。これらの変更は2026年7月1日から適用される。
今回の値下げは、前日に発表されたVIC州の標準電気料金(家庭向け5%引き下げ)とほぼ同様の流れとなっている。AERはNSW、南東QLD州、SA州の電気・ガス料金を設定する独立機関で、小売業者が請求できる上限価格を定めるとともに卸売市場の管理も行っている。
AERのクレア・サベージ委員長は、今回のDMOを「前向きな結果」と評価した。「今回の値下げは、特に卸電力コストの低下など、DMOを構成する多くの要素のコストが緩和したことを反映している。電力契約価格の低下、スポット価格の変動減少、夕方ピーク時の風力や蓄電池の発電増加が背景にある」と述べた。「中東情勢による不確実性はあるが、卸電力コストは上昇していない」とも指摘した。
クリス・ボーエンエネルギー相は、今回の値下げは政府の再生可能エネルギー政策の成果だと強調した。「世界有数の太陽光と風力資源を活用し、国産の再生可能エネルギーで国際的な価格変動から電力網を守り、料金を引き下げている」とした。
一方で、iSelectのエネルギー専門家ソフィー・ライアン氏は、料金が下がってもプランの見直しは必要だと指摘する。「DMOが市場で最も安いプランとは限らない。今回の発表を機に、より良いプランを探すべきだ」と述べた。同社の調査では、38%のオーストラリア人が電力プランや会社を一度も変更したことがない、または5年以上見直していないという。
今回の案には、新たに任意加入型の電力プランも含まれる。
「ソーラー・シェアラー・オファー」は、太陽光発電がピークとなる時間帯(NSW州・南東QLD州では午前11時〜午後2時、SA州では正午〜午後3時)に3時間の無料電力を提供する。これにより、家電の使用や電気自動車の充電など電力消費の多い活動をこの時間帯に移すことで節約が可能となる。
ただし注意点もある。残りの21時間の電気料金は1kWhあたり1〜4セント値上げされる。
ソース:news.com.au – Power bills to drop on Australia’s east coast after final Default Market Offer