【QLD27日】 2032年のブリスベン五輪を見据え、オーストラリアのスポーツ会場で再利用可能なカップを導入する大胆な計画が浮上している。これにより、年間約1200万個の使い捨てプラスチックカップを埋立廃棄から削減できる可能性があるという。
この取り組みは、AFLチームのグレーター・ウェスタン・シドニー・ジャイアンツが2024年に本拠地スタジアムで開始した試験導入をきっかけに注目を集めた。同チームは使い捨てのビールカップを再利用可能なアルミ製カップに切り替え、これまでに約20万8000個、約2.3トンのプラスチック廃棄物削減につながったとされる。
WWFオーストラリアが発表した報告書は、国内30の主要スタジアムで同様の仕組みを導入すれば、大幅なごみ削減が可能だと指摘。スタジアムは回収・洗浄・再利用までを完結できる「クローズドループ」環境として、再利用システムの実証に適しているとしている。実際、観客の支持も高く、調査では97%がスポーツイベントでの使い捨てカップ廃止に賛成。また79%が再利用カップの使用を好むと回答した。
仕組みはシンプルで、観客は使用後のカップを回収ボックスに返却するだけ。回収されたカップは洗浄・消毒され、再び会場で使用される。
報告書は、こうした取り組みを五輪などの大規模イベントにも拡大できると指摘。パリ五輪ではすでに再利用容器が導入されており、ブリスベンにはその流れを発展させる機会があるとしている。
一方で、課題も残る。オーストラリアの包装に関する2025年目標(100%再利用・リサイクル・堆肥化可能)は未達に終わり、現状は86%にとどまる。さらに2040年までに年間1200万トン以上の新たな包装材が市場に流入する可能性も指摘されている。専門家は「リサイクルだけでは不十分」とし、再利用の仕組み拡大には政府による規制やインフラ投資、産業支援が不可欠だと強調する。
NSW州ではすでに再利用システム拡大に向けた計画が進んでおり、今後はテイクアウト業者への対応義務化なども段階的に導入される予定だ。報告書は、再利用の推進が環境対策だけでなく、新たなビジネスや雇用創出にもつながるとし、国全体での取り組み加速を求めている。
ソース:news.com.au – Bold plan for 12 million cups ahead of 2032 Brisbane Olympics