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宗教団体 信者に腎臓移植を強制の疑い

シドニー4日ー宗教団体"Jesus Christians(ジーザス・クリスチャンズ)"の信者、Ash Falkingham(アッシュ・フォルキングハム)さん(22歳)は、神への信仰を示すために、見ず知らずのカナダ人女性に腎臓を提供する計画をしている。しかし今、この腎臓提供が同宗教団体によって強制的に行われているのではないかとの疑惑が浮上している。

ABC放送の"Australian Story(オーストラリアン・ストーリー)"が報じたところによれば、同宗教団体に所属するケニア、英国、米国、オーストラリアの信者30人のうち19人が、「無私無欲の人生」を求めてこれまでに腎臓提供を行ってきたという。

「私は人を助けるために出来ることをしたいので、腎臓提供を決めたのです」とフォルキングハムさん。

フォルキングハムさんは3年前にジーザス・クリスチャンズに入会。以来、母親と義理の父親はフォルキングハムさんを団体から脱退させようと試みてきた。母親のKate Croft(ケイト・クロフト)さんは、息子が見ず知らずの人に腎臓を提供すると聞いたときは衝撃的だったと語った。

また、義理の父親は、同宗教団体はフォルキングハムさんの銀行口座から現金を引き出していると非難。一方、団体リーダーのDavid McKay(デイビッド・マッケイ)氏は、信者は自分の意思で「共有資金」に出資していると反論した。

オーストラリアの法律では、移植前に臓器提供側と移植を受ける側に長期的な友情関係が成立している必要がある。そのため、フォルキングハムさんは移植手術を受けるためにカナダへ渡った。移植手術は4月30日に予定されていたが、クロフト夫妻がオンタリオ州の保健当局に連絡をしたことで延期された。Toronto General Hospital(トロント総合病院)は今後、フォルキングハムさんがインフォームド・コンセント(同意書)を提出する能力があるかどうかを精神科医によって鑑定する予定。

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