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緊急サービス内のいじめと嫌がらせ 隊員9人が自殺

 【シドニー20日AAP】NSW州緊急サービスに関する報告で、州政府や管理者が緊急サービス内で長年問題となっていたいじめや嫌がらせへの対処を怠っていた間に、少なくとも9人の救急隊員が自殺していたことがわかった。

 緊急サービスの管理・運営に関する調査を実施したNSW州上院議員のロビン・パーカー氏は、隊員は上層部管理者や「問題をもみ消そうとしてきた」保健相らの圧力を受け、瀬戸際に立たされているとした。

 260人以上の救急隊員が国会の調査に意見を提出し、20日、この問題は「緊急に取り組む必要のある事項」として改革のための45の提案がなされた。

 パーカー氏は「救急隊員たちは士気の減退や職場の不満、苦情、いじめ、嫌がらせを処理し、問題を無視する管理者の相手をしなければならないと話す。今回の調査で、政府と管理者はこの10年間何の対応も行わなかったことが明らかになった」と語った。

 また、NSW州緊急サービスの会長を10年間務めてきたグレッグ・ロッチフォード氏は今後、さらに厳密な調査を受ける予定。ロッチフォード氏はジョン・デラ・ボスカ保健相と面会し、緊急サービス内のいじめや嫌がらせに焦点を当てた勤務評定を行うよう命じられた。

 一方、保健サービス組合は、管理者側の問題点が明らかになり、ロッチフォード氏の救急隊員としての現場の経験が欠如していることへの批判が集中しているにも関わらず、同氏がいまだ会長の座に留まっていることに対して不満を示した。

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