政治

去り行くラッド氏 首相としての功績

【キャンベラ24日AAP】   ギラード新首相就任で全国が沸いている中、ケビン・ラッド氏は静かに首相の座を降りた。24日に行った辞任演説では、その功績のハイライトとなる先住民への謝罪演説について話したとき、感極まった様子で声を詰まらせる場面もみられた。

11年間続いた保守党政権を打ち砕き、劇的な政権交代劇となった2007年11月24日の連邦選挙は記憶に新しい。高支持率でスタートしたラッド首相が就任直後に行ったのは、それまでハワード元首相が拒み続けた京都議定書への批准。また、ラッド氏の功績の中で最も注目されるのは2008年2月の先住民「盗まれた世代」への謝罪演説だろう。賛否両論だったが歴史的演説であったことは間違いない。

ラッド政権が行った政策をみると、2008年に起こった世界金融恐慌の対策として、同年10月以降、2度にわたり合計524億ドルを投入した景気刺激策を講じ、後に「労働党はオーストラリアを不況から救った」と述べた。

しかし、断熱材助成金制度のトラブルなどでラッド政権の足元は徐々に揺らぎ始める。昨年後半には、野党の猛反対で排出権取引制度導入に失敗。同制度の決定を2013年まで引き伸ばすとしたことや、鉱山業にとって大きな負担となる「資源超過利潤税」案を発表したことで支持率が急落。今回の首相交代劇へと展開していった。

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