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臓器の3D印刷に研究者ら一歩近づく

【シドニー4日AAP】   オーストラリアと米国の研究者は、3Dバイオプリンターを使って心臓、肺、肝臓といった臓器を作成する方法に一歩近づいている。

大きな組織や臓器を人工的に作成する最大のチャレンジのひとつに、人間の循環系の3D印刷方法を見いだすことがある。細胞は酸素、栄養物、廃棄物処理システムへのアクセスを必要とするため、機能的な細胞輸送システムが組織や臓器作成への中核をなす。これをシドニー大、ハーバード大、スタンフォード大、そしてマサチューセッツ工科大から成るチームが成し遂げ、循環系を複製する人工血管のネットワーク作成に成功した。

筆頭著者であるシドニー大のベルタソーニ研究者は、同研究が大きな飛躍であるが、注文を受けて印刷する臓器にはまだほど遠いものだとし、「病院に出向き、全細胞、タンパク室、血管が正しい場所にある完全な臓器を、出力ボタンを押すだけで印刷できることを想像してみてください。我々の研究はまさにそれに取り組んでいる」と話した。

研究者たちは、同プリンターを使い人工血管の足場となる多数の小さな繊維細胞を作成、細胞を多数含むタンパク質を基盤とする素材で覆い、光凝固した。その後繊維細胞は取り除かれ、1週間以内に安定した毛細血管を生成するよう自己組織化されている。

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