【ACT14日】 オーストラリアの新旧のパスポートを比較した写真がSNS上に投稿され、高額な値段のわりに劣化が早いと話題になっている。「本当に金額に見合う価値があるのか」と疑問の声が上がっているもようだ。
2022年9月から導入された「Rシリーズ」のパスポートは、2014年に登場した「Pシリーズ」より「さらに高いセキュリティ性能」を誇るとされていた。外務貿易省(DFAT)は当時、「オーストラリアで初めてRシリーズに、多層プラスチックでできた高セキュリティの顔写真ページが採用され、偽造がより困難になり損傷にも強くなった」と説明していた。
現在、10年間有効の一般成人向けパスポートの価格は通常412ドルだが、配送手数料により実際の負担額はさらに多くなっている。
投稿サイト、レディットのあるユーザーは、日本のパスポート(6年使用)やドイツのパスポート(3年使用)をオーストラリアのパスポート(2週間使用)と比較する写真を投稿。オーストラリアのパスポートだけ表紙が反りあがっているのが分かる。投稿者は「同じ条件で保管していたが、オーストラリアのものだけこんなにくたびれている」とコメント。この投稿には、数百件のコメントが寄せられ、「で、どれが一番高いと思う?当然オーストラリアのだよね、今や400ドル以上だし」など皮肉を込めたものもあった。
独立系上院議員のデービッド・ポコック氏も先に、この話題に言及しており、オーストラリアのパスポートが412ドルであるのに対し、ニュージーランドやカナダ、米国などではその半額だと比較を示していた。
テクノロジー大学の観光・経営分野の非常勤研究員であるデービッド・バーマン氏は、政府がパスポートやビザを「金のなる木」にしていると指摘。「他国と大きく異なるわけではないが、結局のところは利益目的」と述べ、パスポートの発行は事実上の独占事業であり、好きな料金を設定できると分析した。
一方、DFATの広報担当者は短い声明を発表し、「オーストラリアのパスポートは国際的にも高品質な渡航書類として評価されており、180か国以上へのビザ免除はその証だ」と述べ、Rシリーズの品質と価格は適正であると擁護した。
なお、パスポートの表紙の反りは湿度の変化によるもので、出入国審査など実用面での影響はないという。
ソース:news.com.au-Aussies fume over new detail in world’s most expensive passport