【ACT26日】 一見無害に見えるオーストラリアの美しいビーチの写真の裏には、毎年サメ、洪水、サイクロンよりも多くの命を奪う致命的な脅威が潜んでいる。
オーストラリア中のビーチではリップカレント(離岸流)を見つけるのは難しい場合があるが、同国の美しい海で泳ごうとする人々にとって最も重大で一般的な危険のひとつである。新しい報告書によってさらに明らかになった報告書は、過去1年間のオーストラリアにおける溺死者数の厳しい現実を示している。
サーフライフセービング・オーストラリア(SLSA)によると、リップカレントとは海に向かって強く狭い流れを生じるもので、1秒あたり1〜2mの速度でビーチから遠ざかることがあるという。リップカレントはアンダートウ(底流)とは異なり、水中に引き込むことはなく、水平方向に潮の流れに沿って移動する。また、リップカレントは波の割れが少なく、深くて濃い色の水、サーフゾーンを超えて広がる砂色の水、海藻や漂流物、水の強い動きなどによって判別できることが多い。
SLSAのビーチ安全ガイドでは、「リップカレントはこれらのサインがすべて揃って現れるわけではない」と説明されている。
「波が一貫して割れている場所を探し、割れていない左右の場所を見てみると、そのエリアがリップカレントです」としている。
6月には、NSW州キアマのボンボ・ビーチで、18歳の男性がリップカレントに巻き込まれ死亡した。サーフライフセービングNSWがジェットスキーで男性を陸に引き上げたが、蘇生できなかった。この事件は、2024年ボクシングデーに同じビーチで52歳の男性が溺死した事故の後に起きたもので、男性と18歳の男性がリップカレントに巻き込まれたが、18歳の男性は無事だった。
ロイヤルライフセービング・オーストラリアがSLSAと共同で作成した2025年国立溺死報告書によると、過去1年間でオーストラリアの水域で357人が溺死した。これは、過去10年間の平均281人に比べ27%増加しており、1996年に記録が始まって以来、最も多い数字となっている。さらに、82人がビーチで溺死し、そのうち37%がリップカレントに巻き込まれたことに関連している。
ビーチでの溺死は、主に大都市(43%)で、また自宅から100km以上離れた場所(27%)で発生している。
死亡者の半数以上(58%)は、午後12時から6時の間に発生している。
報告書によると、オーストラリア沿岸には常時約17,000のリップカレントが存在するとされ、ビーチ利用者にとって「広範囲にわたる」危険を示している。「リップカレントはオーストラリアで最も危険な沿岸リスクであり、毎年多くの命を奪っている」と報告書は述べている。
2004年から2023年の19年間で、リップカレントによる溺死の85%は男性が占めた。報告書では、このカテゴリーの溺死率は2004年以降大幅に減少したものの、全体の溺死率は変わらない。監視されていないビーチが最大の課題であり、溺死の3分の2はサーフライフセービングサービスから1km以上離れた場所で発生している。
リップカレントから生き延びるためのSLSAのガイドは以下の通り。
news.com-au – Report reveals grim reality of Aussie drowning deaths