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拘留中の死亡者数が過去最高 NSW

【NSW15日】   NSW州の上級裁判官が異例の公開声明を発表した。

NSW州検死官テレサ・オサリバン氏は、拘留中の死亡者数が過去最高に達したことを受け、異例の公開声明を発表した。2025年これまでに、NSW州で12人のアボリジニおよびトレス海峡諸島民が拘留中に死亡しており、これは単一年での最多記録である。

年末までまだ2か月を残す段階で、オサリバン氏はこの死亡者数を「非常に心痛む節目」と表現した。また、「これらの死亡のそれぞれが、かけがえのない命であり、その喪失は家族や愛する人々、州全体のコミュニティに深く影響を与えている。これらは独立した慎重な調査、敬意、説明責任が求められる個人の死だ」と述べた。

州検死官は、突然・予期せぬ・説明のつかない死亡の調査を担当し、警察を含む関係機関に勧告を行う権限を持つ。公開声明を出すことは珍しい。オサリバン氏は、検死裁判所は拘留中のすべての死亡について「独立かつ徹底的に」調査することを約束しているという。「審問は、公平性、透明性、文化的配慮のもとで実施され、影響を受けた家族やコミュニティの声が聞かれ、尊重されるようにする」と述べた。

オサリバン氏は、NSW州犯罪統計研究局(BOCSAR)の最新データが問題の規模を裏付けると述べた。2025年6月時点で、NSW州では4,386人のアボリジニ成人が拘留中であった。これは、NSW州の成人刑務所人口全体の33.4%にあたり、アボリジニ人口は州全体の「ごく一部」にすぎない。過去5年間で、拘留中のアボリジニ数は18.9%増加した一方で、非アボリジニの刑務所人口は12.5%減少した。拘留中のアボリジニ成人のほぼ半数(45.6%)は、裁判結果を待つ保釈拒否者または保釈中の被拘留者だ。同期間で保釈中のアボリジニ数は63%増加した。

NSW州政府の広報担当者は声明で、「これらの死亡はどれも悲劇であり、政府はこの問題を深刻に受け止めている。拘留中の防げる死亡を減らすため、矯正施設の設計や安全性を改善し、拘束ポイントを撤去するために1600万豪ドルを投じている」と述べた。

ソース:news.com.au – NSW Coroner makes rare public statement as deaths in custody reach record levels

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